2017年に起きた航空機(旅客機、貨物機)の事故は14件で、自殺、妨害行為、ハイジャックによる死者を除けば、航空事故で死亡した人は世界全体で59人となった。2016年には17件の事故が発生、258人が死亡したことから見ると、大幅に減少していることが分かる。
昨年発生した最悪の航空事故は、1月にキルギスで起きたボーイング747貨物機の墜落事故だ。乗組員4人と地上にいた35人が死亡した。また、12月31日には中米コスタリカで単発ターボプロップ機「セスナ208キャラバン」が墜落。年間で最も多い12人の犠牲者を出した。
一方、ASNのデータはヘリコプターや軍用機の事故に関する情報を含めていない。そのため、昨年6月にミャンマー空軍のY8輸送機が墜落、122人が死亡した事故の死者数は、この統計には含まれていない。
死者数は1972年以降、大幅に減少
死者を出した直近の商用機の事故は、乗員77人のうち71人が死亡した2016年11月のラミア航空2933便の墜落事故だ。英国製の「アブロRJ85」がコロンビアの空港に向かう途中で墜落した。
また、ASNのデータによれば、犠牲者が1000人を超える事故が最後に起きたのは2005年。死者を伴う事故はその後、減少が続いており、2017年は過去最も安全な一年と言える水準に達した。犠牲者を伴う事故の発生率は現在、736万便当たり1件となっている。
1972年以降の航空機事故による死者数は以下のとおり、大幅に減少している(数字は人数)。
1972年:2379
1980年:1300
1990年:712
2000年:1148
2010年:943
2011年:525
2012年:477
2013年:265
2014年:692
2015年:186
2016年:258
2017年:59
出典:ASN