閉じる

PICK UP

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

Bogoljubb / shutterstock

米国を中心に急速に広がるエアービーアンドビーやウーバーなどのシェアリングエコノミー。ユーザーと提供者をつなぐプラットフォームが特徴で、日本でも2018年6月に民泊の一部解禁が決まった。

「シェアリングエコノミー」の著者で、ニューヨーク大学スターン・スクールのアルン・スンドララジャン教授はシェアリングエコノミーや他のイノベーションによって将来の働き方が大きく変わると予想する。同教授にシェアリングエコンミーと働き方の未来について伺った。(前回の記事はこちら

ー日本では働き方改革を推し進めようとしています。シェアリングエコノミーの普及で日本の働き方はどのように変わっていくでしょうか。

シェアリングエコノミーが一般的になると、在宅勤務などのリモートワークが自然に受け入れられるようになるでしょう。特にオンデマンドの労働を提供するプラットフォームにとって、リモートワークは根本となる働き方です。フリーランスのプラットフォームが普及すれば、企業も変化するでしょう。

例えばニューヨークタイムズでは、プロジェクト・マネジャーが正規・非正規・フリーランスに関係なく様々な人をシームレスに使ってプロジェクトができる新しいシステムを始めました。この日には3人のカメラマン、2人の動画撮影者、3人のライターを使い、その数日後は3人の編集者と動画編集者を使う、といった具合です。

システムがワークフローを出し、正規スタッフとフリーランスを使った場合のどちらの費用が少なくなるか弾き出してくれます。このシステムによって、複雑な組織でも簡単にオンデマンドの労働者を使えるようになりました。

多くの企業がフリーランスやオンデマンドの労働者を使うようになっています。同じ時に同じ場所で仕事をするシステムはリモートワークには馴染みません。しかしシステムを変えて、シェアリングエコノミーを導入すれば、リモートワークも定着すると思います。

ーフリーランスの普及に関して、日本では会社の副職禁止規定の問題もあります。

会社に規定を変えろというのは困難です。一つの解決策は、政府が会社の副職禁止規定を禁止することです。でも時間はかかります。

将来的には、ほとんどの仕事がフリーランスのような雇用関係のないものになると思います。政府はセーフティーネットの提供について検討を始めるべきです。社会保険、年金、収入の安定など。日本はそういったセーフティーネットの多くを企業が負担しているため、今後大きな課題になる可能性が高いです。

また、企業に対する人々の信頼が高いことも移行に時間がかかる理由として挙げられます。政府が言うことより企業が言う方が信用されている。米国では半々ぐらい、ヨーロッパでは政府の方が信用度は高いです。これらを考慮すると、日本のセーフティネットの制度改革は複雑で長期間かかるでしょう。

しかし時間がかかるのは日本だけではありません。解決法を編み出すのに10年ほど時間はあります。議会は今から検討し始めないといけません。人々の幸せは、政府が入念にセーフティーネットの構築を準備できるかにかかっています。

編集・文=フォーブス ジャパン編集部 取材協力=タトル・モリ エイジェンシー

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

あなたにおすすめ

合わせて読みたい