「スマートフォン市場は競争が非常に厳しく、勝ち残るためにはデバイス開発に関する全てが揃っていることが重要だ」とペイジは当時述べていた。
そして2016年、グーグルは「Pixel」をリリースし高い評価を得た。また、「グーグルホーム」を発表し、スマートスピーカー市場にも参入を果たした。
グーグルは、今度こそはハードウェアとコンシューマ・エレクトロニクス事業に長期的にコミットする覚悟のようだ。先月には、約10億ドル(約1130億円)でHTCのスマートフォン事業の一部を買収し、Pixelの開発に携わった2000人の技術者を獲得した。その2週間後には、サンフランシスコで開催したイベントで新型Pixelやスマートスピーカー、AI搭載のカメラやイヤホン、新型Chromebook、VRゴーグルなど数多くのハードウェア製品を発表した。
「時間が掛かるかもしれないが、我々はグローバルなコンシューマ・エレクトロニクス企業になることを目指したい」とグーグルでハードウェア事業の責任者を務めるリック・オスターロー(Rick Osterloh)は筆者とのインタビューで述べた。
しかし、なぜ今になってハードウェア開発に本腰を入れる決意をしたのだろうか。グーグルはその理由を明らかにしていないが、筆者は、競合他社に勝る製品をようやく開発できるようになったことが理由だと考えている。
グーグルのハードウェアが競合製品よりも優れていることに異論を唱える人は多いだろう。確かに、今月発売される「iPhone X」はスマートフォン史上最高の性能を誇り、アップルが12月に発売する「ホームポッド」も、グーグルの「Home Max」を含むあらゆるスマートスピーカーの中で最も音質が優れていると伝えられる。
また、グーグルの小型カメラ「Clips」が、GoProに勝るかどうかは不明だ。ハードウェアには一長一短があり、分野によってアップルやサムスン、LG、GoProがグーグルを上回るのは事実だ。