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「第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント」の第一人者。

豊洲のタワーマンション群(slyellow / Shutterstock.com)

2015年後半あたりからささやかれている「不動産バブル崩壊説」だが、そんなものは大嘘だ。

こうした崩壊・暴落説でなぜか常にやり玉に上がるのは、都心湾岸地区のタワーマンション群である。確かに中国人を中心とした外国人のいわゆる「爆買い」は終わり、一部では売りも出ている。しかし結論を言えば現在の国内不動産市場は、北朝鮮有事や世界的な金融危機でも起こらないまったくバブルではないし、したがってバブル崩壊も、ない。

2012年12月に民主党から自民党へ政権交代し、アベノミクス、黒田バズーカによって、長らく低迷していた株価が大きく息を吹き返したのと軌を一にするように、国内不動産市場も大幅に回復した。

不動産経済研究所によれば、確かに首都圏の新築マンションは2015年後半から契約動向が鈍くなり始め、2016年に入ってから一段と低迷、契約率は市場の好不調を占う分岐点とされる70パーセントを恒常的に割り込んだうえ、発売戸数も3万5772戸とリーマン・ショック後の2009年以来の低水準にとどまった。

しかし、不振の理由は明白で、「価格が高くなりすぎた」からだ。アベノミクスによる地価高騰に加え、人件費や資材価格高騰による建設コストの上昇で、2012年に首都圏平均4540万円だった平均価格は2016年には5490万円と20パーセント以上も高騰。低金利が住宅ローン利用者の購買力を上げ、借り入れを通じて事業を行うデベロッパーにも恩恵をもたらしたといった側面もある。

東京カンテイによれば、新築マンション価格(70平方メートル換算)を平均年収で除した年収倍率は2012年の8.7倍から10.68倍へと跳ね上がった。

しかしそれ以降の動向を冷静に眺めるとどうだろう。首都圏新築マンションは2017年に入ると5000万円台後半へと、一段と上昇し、契約率も70パーセント前後へと回復している。

なぜこのようなことになっているのか。理由は大きく2つある。ひとつは首都圏新築マンション市場の「大手寡占」が進んだことだ。マンションは立地厳選・タワー化・大型化が進んだことで事業規模が大きくなり、中小規模のデベロッパーには手を出しにくいことが理由といえる。

また中小デベロッパーがリーマン・ショックの反省から、地方都市の県庁所在地などに戦場を移す、中古マンション再生や仲介、介護事業などに事業ポートフォリオを多角分散させるなどしており、以前に比してかなり慎重な経営姿勢を見せている点もあげられる。

文=長嶋 修

 

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