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2017.09.18

新政権発足から半年後の米国民の意識、「他国との関係」に変化

Win McNamee / gettyimages

米国の研究者やアナリストらが組織する「デモクラシー・ファンド・ボーター・スタディー・グループ(Democracy Fund Voter Study Group)」はこのほど、新政権の発足から半年を過ぎた同国の有権者らが持つ国内のさまざまな問題への意識を調査・分析した報告書、「The First Six Months(ザ・ファースト・シックス・マンス)」を発表した。

報告書は、英世論調査会社ユーガブ(YouGov)との協力により実施した「2017 VOTERサーベイ(Views of the Electorate Survey)」の結果に基づくもの。2016年11月29日~12月29日までにユーガブが18歳以上の米国民およそ8000人から回答を得たオンライン調査の結果に加え、今年7月にこれら回答者を対象に改めて実施したアンケート調査の結果をまとめた。

報告書によれば、2016年12月の調査と今年7月の調査で有権者の意見に目立った変化が見られたのは、次の2つの点だ。

・各国との貿易の促進を望む人が13ポイント増加
・イスラム圏の7か国の市民の一時的な入国禁止措置を支持する人が3ポイント増え(半数に近い)47%に

また、新たな調査結果では、医療保険制度改革法(Affordable Care Act、通称オバマケア)」の撤廃とメキシコとの国境に壁を建設する案については、反対が支持を上回った。調査結果からは、米国民が最も重視しているのは国の経済であり、次いで医療保険、社会保障となっていることも分かった。

以下、報告書で明らかになった最近の米有権者らの意識について、一部を紹介する(数字は回答者の数)。

「共和党は貿易について、他国と再交渉すべきだと思うか?」

・思わない:383
・どちらかといえば思わない:462
・現状でよい:1099
・どちらかといえば思う:1153
・思う:940

「共和党は移民の入国制限にもっと力を入れるべきだと思うか?」

・思わない:709
・どちらかといえば思わない:485
・現状でよい:778
・どちらかといえば思う:716
・思う:1342

「民主党は移民の入国制限にもっと力を入れるべきだと思うか?」

・思わない:362
・どちらかといえば思わない:351
・現状でよい:1056
・どちらかといえば思う:623
・思う:1435

「民主党は『政治的正しさ(ポリティカル・コレクトネス)』にもっと力を入れるべきだと思うか?」

・思わない:665
・どちらかといえば思わない:333
・現状でよい:978
・どちらかといえば思う:666
・思う:1181

「米国の経済システムは富裕層に有利なように偏っていると思うか?」

・強くそう思う:3155
・そう思う:2609
・そう思わない:1675
・全くそう思わない:442

「主流メディアが報じることの大半は信じられないと思うか?」

・強くそう思う:3187
・そう思う:2350
・そう思わない:1818
・全くそう思わない:537

「米国のエリート層は、あなたが直面している問題を理解していないと思うか?」

・強くそう思う:3505
・そう思う:3171
・そう思わない:974
・全くそう思わない:220

「米国政府はどの程度、正しいことをしていると思うか?」

・ほぼ常にしている:64
・大抵はしている:881
・時々はしている:6994

「一般的な米国民の暮らしは全体として、50年前と比べどう変化したと思うか?」

・良くなった:2242
・変わらない:1382
・悪くなった:3951
・分からない:405

なお、ドナルド・トランプの米国大統領としての仕事ぶりを評価するかどうかに関するユーガブの調査では、以下のような結果が示されている。
・評価する:2051
・どちらかといえば評価する:1478
・どちらかといえば評価しない:643
・評価しない:3639

編集=木内涼子

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