今回のガイドラインで政府は自転車シェア事業者らに対し、利用者が指定エリア外に自転車を駐輪した場合、GPSでそれを検知し、テキストメッセージやアプリの通知で警告を発する仕組みを導入することを求めている。また、利用可能年齢を12歳以上に限定し、実名での利用登録や保険への加入も求めている。
上海市や天津市では既に、自転車の使用年数を3年以下にすることや、200台の自転車に対し最低1名のメンテナンス要員を用意することが義務付けられている。
中国政府は近年、環境保護への取り組みを促進しており、その一環として都市部での自転車の利用を促す動きも見られる。北京や一部の大都市では道路に自転車専用レーンを設け、自転車シェア事業を後押しする動きも進んでいる。
北京では今回の規制に先立ち7月から市内の一部の地域で、シェア自転車の駐車場所を限定する試みが始動していたが、違反しても罰則が無かったため、問題の改善にはつながっていなかった。
利用人口は1.6億人
中国の交通運輸部によると、中国全土に配置されたシェア自転車の台数は1600万台に及び、1億6000万人が利用中という。今回のガイドラインで政府は地方の行政当局に対し、シェア自転車の利用状況を適切に把握し、一部の地域に過剰な台数が集中することのないように求めている。
また、これまでシェア自転車の利用にあたっては、事前に99元(約1600円)から300元程度のデポジット金の支払いが求められていたが、政府は今回の規制で事業者がデポジット金を徴収することを禁止した。交通運輸部の担当者はその理由を「デポジットとしてプールされた資金が、違法な目的で利用されることを防止するためだ」と述べている。
今回の規制の導入に対し、ofoは声明で「ガイドラインの導入を歓迎し、規制にのっとった運用を行っていく」と述べた。
ofoは今年7月、アリババが主導する資金調達ラウンドで7億ドル(約797億円)を調達した。Mobikeも今年だけで既に8億ドル以上をテンセントらから調達している。