iPhoneのセキュリティを強化すると騙っていた「Mobile Protection: Clean & Security VPN」は5万人がダウンロードし、少なくとも200人が有料会員に登録していた。利用料は週払いだったが、月額にすると400ドルもしたという。
アプリストアから削除されなければ、2017年に100万ドルが開発者の懐に入るところだった。このアプリの詐欺性に気付き、Mediumに投稿したのはハッカーでアプリ開発者のJohnny Linだった。
アプリの説明文には「重複した連絡先からユーザーを守る」といった不可思議なサービスがスペルミスを含む英語で書かれていた。「賢いがいっぱいのアンチウィルスを即座に利用」という不自然な英語で書かれた無料トライアルへの誘い文句もあった。
このアプリの問題性はアップルの審査担当者の目にとまらなかったらしく、仕事効率化アプリの売上でトップ10に入り、月に8万ドルを稼いでいた。少なくとも200人がアプリの詐欺性に気付かず、毎週99ドルの自動更新契約を受け入れてしまったようだ。
他にも詐欺性が疑われるアプリが複数、アプリストアに残っている。モバイルアプリ・マーケターのThomas Petitは「Camera Recorder Screen Touch Full HD for mobile」というアプリにも問題があると指摘している。
このアプリの名前や説明にも不自然な点がある。「簡単に動画撮影を一時停止できる」と書かれているが、これは極めて無意味な機能だ。さらに説明書きを読み進めていくと「契約の自動更新オプションあり」や「月額99ドル99セントで3日間無料トライアル付き」と書かれている。
このアプリは6月12日時点でまだアプリストアからダウンロード可能になっている。アップルがアプリの審査にもっと力を入れてくれれば、こういったアプリはストアから消えるはずだ。