アメリカでは数百万人が職探しをしているが、企業の46%は適切な人材を見つけるのに苦労していると感じている。企業と求職者がうまくつながっていないのは明らかで、この問題に取り組もうと立ち上がったのがグーグルだ。
グーグルのサンダー・ピチャイCEOは5月18日、開発者向けカンファレンス「Google I/O」で「Google for Jobs」を発表した。ユーザーがグーグルで求職関連の検索をすると、検索内容にマッチする求人情報を表示する機能だ。機械学習を活用し、同様の職種について企業によって説明が異なっても、同類の職務と判断して提示できるようにする。
求人情報は肩書や必要な経験、給料、勤務地、自宅から通勤地までの距離、フルタイムかパートタイムかなどで絞り込むことができる。しかも、経験者向けの求人情報だけでなく、サービス業界やリテール業界の未経験者向けの情報も表示されるのが魅力だ。
グーグルは求人掲示板や人材派遣会社の情報を参照するほか、モンスターやLinkedIn、フェイスブック、キャリアビルダー、グラスドアなどとの提携を通じて求人情報を集める。FedExとジョンソン・エンド・ジョンソンらの企業が「Google for Jobs」の試験運用を行ったところ、応募者が18%増えたという。
この新機能は職を探す人にとって必須のツールになる。特に未経験者にとっては、スキルアップにより給料の高い職を見つけることができる機能になるだろう。グーグルは数週間のうちにまずアメリカにおいて「Google for Jobs」の運用を開始し、他の国でも近いうちに展開するとしている。