米国法曹協会(ABA)によると、米国のロースクール(法科大学院)卒業生が背負い込む学生ローンの平均額は、公立で8万4000ドル(約930万円)、私立で12万2000ドル(約1350万円)以上。名門校の授業料はそれを上回る場合が多く、卒業生は何年にもわたりキャリアの確立に奮闘しつつ支払いを続けることになる。
一般的な学生にとって最も高額となる大学を調べるために、ロースクールに関する情報をまとめるNPO「ロースクール・トランスペアレンシー」が提供する最新の授業料データを参照した。
ランキングの作成に当たっては、学生が非居住者として入学した上で何らかのローンを利用し、大学から中間的な額の授業料免除を受けると想定。またローン完済のために必要な毎月の返済額を算出した。
今年のトップはニューヨーク大学だ。ローンを利用する同大学院の学生のうち、21.7%が少なくとも2万ドル(約220万円)の授業料を免除されるが、それでも卒業時に26万1548ドル(約2900万円)の負債を背負い込み、10年間の返済計画で月2910ドル(約32万円)を払うことになる。
2位は同じくニューヨークにあるコロンビア大学。卒業時の負債額は26万1212ドルで、10年間で月々2906ドルの返済となる。この金額は、同大学院生の少なくとも25.3%が利用する2万ドルの授業料免除を受けたと仮定したものだ。
3位はシカゴ大学。ローン総額は26万1190ドル、10年間の返済額は月2906ドルだ。同大学院では学生の40.1%が2万ドルの授業料免除を受けている。
このように、トップ3のローススクールの費用は決して安くなく、卒業生がどんな仕事に就いたとしてもローン返済は重荷になる。しかし、3校には新卒者にとってのメリットもある。
ニューヨーク大学法科大学院では、2015年の卒業生の87.4%が就職し、96.2%が司法試験に合格した。同年のコロンビア大学法科大学院の就職率は87.2%、司法試験合格率は92.7%。シカゴ大学法科大学院は就職率が90.8%、司法試験合格率が93.8%だった。
米国の高額ロースクール上位10位は以下の通り。(金額は卒業時の負債額)
1位 ニューヨーク大学(26万1548ドル)
2位 コロンビア大学(26万1212ドル)
3位 シカゴ大学(26万1190ドル)
4位 コネティカット大学(25万7572ドル)
5位 ハーバード大学(25万6208ドル)
6位 フォーダム大学(25万4829ドル)
7位 スタンフォード大学(25万1758ドル)
8位 ペンシルベニア大学(25万201ドル)
9位 ジョージタウン大学(24万8992ドル)
10位 ジョージ・ワシントン大学(24万8880ドル)