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経済を動かす「女子」の秘密

shutterstock.com

昨年から日本でもジワジワと浸透してきているメイクのトレンドのひとつ、コントゥアリング。

コントゥアリングとは、顔に白っぽい明るい色をのせる“ハイライト”と、顔に自分の肌よりも濃い色をのせる“シェーディング”という2つの手法を駆使して顔に陰影をつくり、彫りの深い顔に見せるメイクの手法です。

顔のでっぱっているように見せたい位置に明るい色を、顔のへこんでいるように見せたい位置に暗い色を塗って、巧みに肌になじませれば、あら不思議。でるとことはでて、へこむところはへこんだ、立体感のある顔をつくることができてしまうのです。

トレンドの火付け役は、ハリウッドセレブのキム・カーダシアン。2015年にカーダシアンが自身のインスタグラムでコントゥアリングメイクのBefore/After写真を公開し、その衝撃的なビジュアルが世界中で話題となりました。まさにピエロのような、劇団四季のCATSのようなメイクだったのです。

しかし、完成前がどれだけ奇妙でも、しっかり肌になじませればメイクはうまくいく、という発見が斬新で、かえってメイクができあがる前の顔をお絵かき感覚で楽しむ人が続出。インスタグラムで自身のコントゥアリングメイクBefore/Afterを投稿することがトレンドになりました。

日本人女性は肌に濃い色を塗ることに馴染みが薄く、この動きはあまり広がらなかったのですが、日本でも形を変えて、あえてBeforeを公開するという不思議なトレンドが進んでいます。

その代表例が、“半顔メイク”。その名の通り、顔の左右どちらか半分だけをメイクで完璧に仕上げ、もう半分はすっぴんのまま、というものです。メイクをしている状態としていない状態、左右の落差をあえて写真に撮って見る人に衝撃を与えるのが楽しい、と女子の中で流行りました。

コントゥアリングメイクも半顔メイクも、本当は他人に見せたくないような滑稽な状態を「見せる前提で」あえてやっているのが、面白いポイントです。

なぜ、自分の隠したい部分をさらけ出すことが、かえってクール!と捉えられるようなトレンドが生まれているのでしょうか。それには、ツイッターやインスタグラムなど、芸能人のSNS投稿が大きく関係しているのでは、と私は考えています。

芸能人自らがSNSで発信することで、「何かの役を演じているのではない素の○○さん」が生まれます。しかも、投稿にコメントしてみると、ごくたまに直にリアクションをもらうこともできる。こうして私たちは、テレビでしか見られない人の「素顔を知る楽しさ」の味をしめてしまったのです。

ある時は月9で可憐なヒロイン、ある時は舞台で情熱的な悪女を「演じているけど、私たちと変わらないんだ!」と。暗黙の了解で成り立ってきた「舞台の演者」と「観客」の関係性が変容してきています。オフの姿や日常を見せることで、自ら“芸能人”としてのヴェールを脱ぎ、憧れよりも親近感を抱かせる演者が増えているのです。

このおかげで、今やインスタグラムでもメイキングムービーでも、“オフの顔”こそがコンテンツとして話題を呼ぶ流れが生まれています。コントゥアリングメイクも半顔メイクもその一例です。

「舞台の裏側を見る面白さ」を知ってしまった観客たち。その観客自身も、化粧前だったり家にいる姿だったり「自分の生きる世界の中での裏側を見せる面白さ」を知り、試すようになっています。その面白さを逆手にとった新しい「魅せ方」アイデアが、これからますます増えると期待しています。

ちなみに、昨年秋以降ようやく日本でも、各ブランドから“日本人でも取り入れやすいコントゥアリング”を意識した化粧品が発売されるようになりました。美白一筋の風潮やナチュラルメイクトレンドから一変、濃い色も取り入れたしっかりメイクを楽しむ女性が増えるかもしれません。

文=山田 茜

 

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