創業100周年、「スバル」が採用する新型プラットフォーム

セダンとハッチバックのいずれも5人乗りで、セダンが4625x1777x1455mm、ハッチバックが4460x1777x1455mm。改良版の7段マニュアルモード付きリニアトロニックを組み合わされる。軽量化に成功し、低燃費化された。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。

日本でのスバルの企業イメージと、アメリカでの存在感の強さは大きく異なる。なにしろ、2015年の販売台数約91万台のうち、アメリカ市場が約57万台を占める。

日本では、中島飛行機に端を発する自動車メーカーにして、質実剛健なクルマ作りで定評がある。一方、アメリカでは、教育レベルの高い人たちに支持されており、バリューな選択として、家族の一員として、愛するクルマとして独自の地位を得ている。
 
2016年、スバルにとっては大きな節目となった。一つには、2017年に100周年を迎えるにあたって、富士重工業からスバルへと社名を変更することの承認を得た。そして、新中期経営ビジョンとして掲げられた「際立とう2020」の主軸となる新型プラットフォーム(車台)を採用するクルマの第1弾として、5代目となる新型「インプレッサ」が登場したことも大きな話題。80%以上の部品を刷新したFB型2L水平対向直噴エンジンを搭載する。
 
トレッドの拡大に伴ってワイドなスタイリングとなり、クーペ風のデザインとなった。室内では、インパネからドアトリムにかけての一体感が増して、質感が向上した。中央に備わる8インチ・モニターの左右にエアコンのルーバーがデザインされて、ダッシュボートに施されたステッチが曲線を描き立体感を高めている。

加えて、Android OSやApple Carplayに対応するコネクティビティが導入されたことも特筆すべきだ。当然、最新の先進安全技術であるアイサイトも搭載される。
 
実際、走らせてみると、低重心化によって、リニアなハンドリングを実現し、コーナリング性能とドライバビリティが共に高まった。同時に、「アクティブトルクベクタリング」なる機構を採用して、キビキビとした走りにも磨きをかけている。スバル自慢のAWD機構を介して、適正なトルクをデリバリーする。
 
スバルのエントリーモデルである「インプレッサ」の進化は、そのままスバルの基準を向上させることにもつながる。おのずと、今後、世に送り出されるであろう姉貴分たちへの期待も高まる。

文=川端由美、構成=青山 鼓

この記事は 「Forbes JAPAN No.31 2017年2月号(2016/12/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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