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2016.12.01 15:16

三菱UFJも出資のビットコイン取引所 「脱税疑惑」で米裁判所命令

Photo by FabrikaSimf / Shutterstock.com

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米カリフォルニア州の連邦地方裁判所は、仮想通貨取引所大手のコインベース(Coinbase)社に対し、利用者情報の提出を求める裁判所命令を出した。この動きは米内国歳入庁(IRS)の申し立てを受けてのもの。

サンフランシスコ本拠のコインベース社はビットコインやイーサリアム(Ethereum)等のデジタル通貨を取り扱っている。今回の裁判所命令は2013年から2015年の間に、同社のプラットフォームで仮想通貨取引を行なった全ての米国人ユーザーの情報の開示を求めている。

IRSはこれまで仮想通貨が脱税に用いられていた事を確認しており、特定の被疑者名をあげないまま、裁判所に対し申し立てを行なっていた。

司法省の税務部門担当者は今回の決定について「仮想通貨の利用が急増する中で、税務上のコンプライアンスに関する懸念が高まっていた。今回の司法決定により米国の納税者らに、たとえ仮想通貨であっても適切な税務処理を行なう必要があるとの認識を促したい」と述べた。

裁判書類によるとIRSは、コインベースが会社として顧客らの脱税行為を認識していたかどうかは把握していないという。

現状ではビットコインは外部の金融監督機関からの監査を受けないため、IRSは不正会計の温床となりやすいとの認識を抱いてきた。

三菱東京UFJ銀行からも資金調達

コインベース社は「世界で最も人気のビットコイン及びイーサリアムの取引所」を謳い、利用者は約400万人。個人用ウォレット開設数は600万件を超えている。同社は2016年にイーサリアムの取り扱いを開始したばかりで、イーサリアムの取引は今回の開示命令対象には含まれていない。

IRSは今回の税務調査でコインベースの米国ユーザー(住所や電話番号、メールアドレス、銀行口座等の情報から判別)全ての利用情報の開示を求める。利用者情報のほか、取引記録、取引明細書、各利用者に対して行った支払いの記録、さらに資金源の開示を求めている。

コインベース側は「召喚状を受けた後も法廷の場で戦っていく。政府の要求は弊社の米国人ユーザーに対する重大なプライバシー侵害にあたる」としている。

コインベースは2012年の創業。現在32カ国で事業を展開し、昨年はニューヨーク証券取引所や複数の銀行から7,500万ドルを調達。今年7月にはアジア事業拡大に向け、三菱東京UFJ銀行と三菱UFJキャピタルらから1,050万ドル(約11億円)を調達していた。

編集=上田裕資

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