下着ビジネスを変えた男、「ミーアンディーズ」創業者の信念

ミーアンディーズのイベントに参加したブロガー(Getty Images for MeUndies)

起業家たちが新たな市場を生み出したり、既存製品を改良したりする方法には、いつも驚嘆させられる。例えば下着もそうだ。

下着は誰もが(少なくとも大部分の人は)身につけるものであるが故に、大抵の人は、これ以上改良しようのないものだと考える。だが、ジョナサン・ショクリアンは自らの体験をきっかけにライフスタイルブランド、ミーアンディーズ(MeUndies)を立ち上げ、世界一快適かつ持続可能な下着を、シンプルで楽しいオンラインショッピングで提供している。

「ミーアンディーズを立ち上げる前は不動産関係の仕事をしていて出張が多かった。下着が足りなくなり、デパートに買いに行ったのだが、その買い物がとても不快で不便なものだった。快適でもない“高級下着”に、必要以上の金を払わされたことでブランドと製品の“ずれ”に気づき、ミーアンディーズの構想が浮かんだ。同じような経験を持つ人が、透明性の高い工程で作られた高品質の製品を気軽に買える機会を提供したいと考えた」とショクリアンは言う。

そして2011年、当時25歳だったショクリアンは、友人や家族、エンジェル投資家から40万ドル(約4,188万円)の資金を調達。「これまでの下着の製造と購入のあり方を変える」というミッションを掲げ、事業を始めた。

「約5年前の創業以来、最高の下着を世界基準のEコマース体験で提供するという信条は変わっていない。これまでに300万組近くの下着を販売しており、現在も顧客の期待を上回る方法を模索し続けている」

ミーアンディーズのこだわりの1つは、快適さだ。生地の肌触りは柔らかく気持ちがいい。「当初から、丈夫でユニーク、かつ上質な生地を探していた。最初に販売したブナ材の下着はとても柔らかく、顔をこすりつける人がいるほどだった。ブナの木を原料とするマイクロモダールはコットンの3倍柔らかく、縮みにくくさらっとしていて、コットンよりも色あせしにくい」とショクリアンは語る。

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創業者のジョナサン・ショクリアン(Getty Images for MeUndies)

彼が率いるチームが工夫したもう1つは、ウエスト部分だ。肌に食い込まないデザインで、体のラインを維持するようになっている。

ミーアンディーズは、最初から最後まで責任ある製造を行うことに重点を置いており、ロサンゼルスやスリランカ、トルコにある最新工場では、環境に優しい方法で栽培されたブナ材を繊維にすると同時に、排出された化学物質を回収する作業を行っている。
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編集=森 美歩

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