最近では人気モデルのケンダル・ジェンナーを広告に起用するなど、若い層の開拓に力を入れてきた同社は、今回の買収によってさらにZ世代にアピールすることができるようになるだろう。買収額など契約の詳細は明らかにされていないが、ファッション情報専門誌のビジネス・オブ・ファッションは約2億ドル(約208億円)と推定している。
ベッカ・コスメティックスは2001年に創業。2016年の収益は、約8,000万ドル(約83億円)に達すると予想されている。YouTubeのメイクアップ動画が人気を博しているジャクリン・ヒルとのコラボレーションなど、非白人の“常連”が多いことで有名だ。
ヒルがメイクアップ動画の中でベッカのある商品を取り上げたところ、売り上げは3倍に増加。ベッカが彼女にアプローチするまで、長くはかからなかった。ヒルの動画の登録者は300万人を超えており、彼女の動画はどれも視聴回数が100万回近くに達する。
10代向けの美容市場は活発化しつつあり、米投資会社パイパー・ジャフレイ(Piper Jaffray)が実施した新たな調査によれば、同市場の消費額は20%増加している。若者にとって、セルフィー(自撮り写真)での写真映りの良さは重要なのだ。
「当社の高級化粧品ブランドの一つにベッカ・コスメティックスが加わったことは素晴らしいことだ」と、エスティ ローダーのファブリツィオ・フリーダCEOは言う。「ベッカは、肌の色を引き立てるベースメイクが充実しているところがユニークで、デジタルの各種チャネルで消費者とつながることでファンを増やしている」