エスティ ローダーは、2010年にもメイクアップブランド、スマッシュボックス(Smashbox)を買収している。しかしベッカはメイクアップブランドの中でも“肌の色”に重点を置くブランドとして知られている。ファンデーションやハイライト、コンシーラーなどベースメイクのアイテムが充実しており、エスティ ローダーにとってはそこが伸びを期待できる部分となる。
エスティ ローダーは前四半期で純売上高が5%増加したが、組織再編に費用がかかり純利益は減少した。通年(6月30日締)ではメイクアップ関連の売上が9%増加したものの、スキンケア関連は1%減少。新たなベッカの化粧品は顧客の目に、メイクアップ製品というよりも肌をきれいに見せる“スキンケア用品”として映るかもしれない。
ベッカ・コスメティックスのボブ・ドゥベイカーCEOは、「エスティ ローダーにビジョンとスケールがあり、それがベッカを次の段階へと引き上げ、また同時にベッカが独自のブランドを築いていくのを手助けしてくれるだろう。ベッカが考える化粧品は、肌の色や個性を生かしながら、全ての女性が自然で美しくなるための手助けをするもの。エスティ ローダーは、そのミッションを大いに支持してくれている」と言う。
エスティ ローダーの株価はこの6か月で10%以上下落。10月に入って一部経営陣の刷新を行ったが、ウォール街はもう待ちくたびれたようだ。バークレイズは先日、同社の株をイコールウェイトからアンダーウェイトに格下げ。パイパー・ジャフレイもオーバーウェイトからニュートラルに格下げを行うと発表した。