ジャクソンの遺産管理団体は今年3月、ソニーと共同で出資していた音楽出版社「ソニー/ATVミュージック・パブリッシング」の株式の50%を7億5000万ドルで売却。ジャクソンの年収は税引き前で8億2500万ドル(約857億円)に達し、今年の故人セレブ年収ランキングで首位に立ったのみならず、故人・存命中のセレブ全体でも史上最高額を記録した。
ジャクソンは1985年、ビートルズの楽曲の版権を持つATVを4750万ドルで買収。この取引は当時、割に合わない投資とのレッテルを貼られていた。「彼が買収案を持ち出した時、大きないざこざが起きた。だがこれが結果的に、これまでで最も成功を収めた投資の一つとなった」。ジャニス・ジョプリンやジム・モリソンらの遺産を管理するジェフ・ジャンポールはこう語っている。
ソニーは1995年、ジャクソンに1億1500万ドルを支払い、それぞれが50%の株式を保有する合弁会社のソニー/ATVを設立。今年3月には残り半分の株式を買い上げ、同社を完全子会社化した。株式の配当と売却により、ジャクソンの投資に対する年換算利回りは30%に達した。
今年のランキング2位は、16年前に結腸がんで死去した漫画「ピーナッツ」の作者チャールズ・シュルツの4800万ドルだった。ここ1年間のピーナッツ関連ライセンス収入は、CGアニメ映画「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」のヒットにより大幅に増加した。
3位は伝説的プロゴルファー、アーノルド・パーマーの4000万ドル。ランキング対象期間の終了間際に死去したため、年収の大半は生前に稼いだものだった。
最近亡くなったプリンスとデヴィッド・ボウイもそれぞれ5位と11位に入った。プリンスは死の直前まで積極的にツアー活動を行い、1公演当たり200万ドル近くの収益を得ていた他、1年間でのアルバム売上は250万枚と、故人で最多を記録した。一方のボウイは、遺作となったアルバム「ブラックスター」発売のわずか2日後に死去したため、1年間のアルバム売上はジャクソンや4位のエルヴィス・プレスリーを上回った。