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2016.10.07 08:00

ボルボ買収の中国・吉利汽車、「グローバルブランド」で欧米市場狙う


中国の江鈴汽車(こうれい)のブランド「陸風」と華晨汽車(かしん)は欧州市場への進出を計画したものの、どちらもうまくいかなかった。奇瑞汽車(きずい)も「チェリー」ブランドのモデルの投入を目指したが、同様に成功をみることはなかった。

「低価格プレミアム」を推進する戦略においては、トヨタが第一人者とみなされてきた。同社は1980年代にレクサスブランドを立ち上げ、高級車に分類される車を低価格で発売。プリセールスでもアフターセールスでも卓越したサービスを提供したことで、従来の高級ブランドとの間に摩擦を生じたものの、米国ではこうしたアプローチが奏功した。だが、競合他社と同じ価格帯で販売した欧州市場では、苦戦を強いられた。

また、「テスラ方式」で販売するという吉利は、米国市場でもその他の中国メーカーと同様、強い向かい風にさらされることになるだろう。米自動車専門紙オートモーティブ・ニュースのアナリストは、米国では多くの州が関連する州法を改正、「実質的に、テスラだけに適用されない規則を導入している」と指摘。テスラでさえ、その立場は危うくなってきていると述べている。

前出の独メーカーの幹部は、「大きな発表をするのは簡単だ」と語る。「結局のところ、全ては実行力と持久力しだいだ」。

編集 = 木内涼子

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