販売台数の増加の背景には、政府が排気量1600cc以下の小型車の自動車購入税を半分にしたことが、あげられる。小型車の7月の販売台数は同38.6%上昇の114万台となり、乗用車販売台数の71%を占めた。
小型車減税は、欧米メーカーに比べて小型車を多く生産している中国自主ブランドメーカー(外資を入れず中国企業のみが開発する)の支援と、大気汚染対策を目的に、昨年10月に導入された。実際、7月の中国メーカーの販売台数は27.6%増の63万4,000台となり、39.6%のマーケットシェアを確保した。
乗用車の中で販売台数が最も伸びたのはSUVで、同57%増の62万8,000台だった。新エネ自動車(ブラグインハイブリッド車を含む)の販売台数は同98%増の3万8,000台だった。
中国メーカーは人気が高まっているコンパクトSUVの生産態勢を短期間で増強し、大きな利益を得た。現地メーカーにとって、コンパクトSUVの売上高は総売上高の半分以上を占めている。
新エネ車の販売は、大型補助金、無料の駐車場やナンバープレート取得といった様々な優遇政策に支えられている。そして補助金は中国メーカーだけを対象としている。
販売が減速する兆しは見えないが、先行きに懸念がないわけではない。新エネ車の販売拡大に伴い、補助金負担は増す一方だ。政府の補助金は2020年末まで続くと考えられているが、いつ終わるか、実際のところははっきりしていない。
カーメーカーはこぞって増産に動き、自動車マーケットは飽和に近づいている。販売現場では値引きも始まっており、定価から3,000ドル(約30万円)を値引きするディーラーも現れている。販売台数は今後も増えるだろうが、それが利益増につながるかは定かではない。