しかし、上の表のとおりトップ20の企業のうち、株式分割を行った3社を除いた17社のうち、5月10日現在で初値を上回っている企業は6社のみ。2位にランクインした川西徹が設立したサンバイオは公開価格2,000円に対し、初値は公開価格割れの1,710円で、現在価格も1,570円と値を下げている。
同社のように初値が公開価格割れし、現在価格も公開価格を下回る企業が多いのも15年の特徴だ。サンバイオ以外にも、7位の佐藤航陽が創業したメタップスが、公開価格3,300円に対し、初値が3,040円で現在価格が1,440円と大きく下げているほか、シーアールイー、グノシーが株価を下げている。
ランキングは15年にIPOした企業の大株主をリストアップし、売り出し株数を引いた上で初値をかけて算出。そのため、上場時の時価が大きく、保有割合が多い創業者がランキング上位に入った。
「14年にはサイバーダインを代表として大型のIPOが目立ったが、15年は日本郵政という大型の上場があったとはいえ、14年と比較すると小型化したといえる。ベンチャー期待値は相変わらず大きいので、今年は市場が吸収しきれていないという印象だ」と、ランキングを作成したフィスコは見ている。IPO長者もうかれてはいられない、苦しい市場状況だといえよう。
*ランキングは普通株を対象。日本郵政はランキングの対象外とした。