テクノロジーが買い物を楽にした良い例が、クリック&コレクト―消費者がオンラインで商品を購入し、店舗でピックアップできる―サービスだ。ICSC(国際ショッピングセンター協会)の2015年の調査によれば、同サービスを利用する消費者の75%は、商品ピックアップのために訪れた店舗で、予定外の商品も購入している。
Eコマースはオンライン店舗と実店舗、両方の売上増につながっている。ショッピングモールにとっては、Wi-Fiの強化やIoTソリューションの活用によって駐車場の情報や消費者のロケーション分析などの実用的な情報をリアルタイムで得ることができる。
アメリカでは多くのモールが、ジャイブストリーム(Jibestream)の開発したモバイルアプリを展開。買い物客に店舗から次の店舗への進路案内や、車を停めた場所までのナビゲーションサービスを提供している。また、コスメショップのセフォラなどでは、ユーザーのモバイル機器に、その人に合わせたお薦め情報を送ると同時に消費者データの収集を行うビーコンテクノロジーを採用している。
多様性のあるテナント
以前は大型有名店が占領していたスペースに、新しい小売店やレストランが入っているところもある。さらに今では多くのモールにフィットネスセンターや食料品店、診療所などが入っている。
ショッピングモールは地元コミュニティーに合わせてカスタマイズ化した、人の集まる中心地であり、地域の消費者層を理解することが重要だ。今では多くの経営者がこのことに気づいているようで、ショッピングセンター業界全体の稼働率は93.5%と、四半期稼働率としては2008年以来最も高い水準にある。