この銃撃戦で5人の警官が命を落とし、7人が負傷した。犠牲になった警察官の数としては、2001年9月11日に起きた同時多発テロ以来の規模だ。
「全米で警官に対するデモ(Police Protests Erupt Nationwide)」と題されたストーリーには各地のデモの写真や動画が投稿された。ダラス銃撃戦のコンテンツには暴力シーンのある動画が含まれており、ユーザーが手動で停止しない限り警告が出た後に自動再生された。
動画には銃を持った容疑者が発砲する様子や、地面に横たわる人の周りに集まる警官が映っている。また、一般の人々が逃げまどいパニックに陥った様子や、動揺した女性が「また銃声が聞こえた」と叫ぶ声が入っているものもある。
社員がキュレーションで現場を実況
スナップチャットが暴力シーンを含む動画を提供したことは、ソーシャルメディアがこのような状況下でどのような役割を果たすべきかという問題を提起した。ダラスの銃撃戦はフェイスブックやツイッターでも生中継されたが、スナップチャットのようにスタッフが動画をキュレーションしてパッケージ化したわけではない。
今回の銃撃戦の動画は、スナップチャットのトップ画面からスワイプ1回で表示される「ストーリー」のページの目立つ場所に表示されていた。そこからはタップ1回で内容を見ることができた。
スナップチャットの“ニュースストーリー”は同社が提供する“ライブストーリー”の一種だ。生中継ではないが、“ライブストーリー”はイベントが発生した場所にいるユーザーが投稿できるサービスで、投稿された画像は24時間後に消える。スナップチャットの1億5,000万人とされる月間アクティブユーザーは他のSNSと比べて平均年齢が低く、あからさまな暴力をどう伝えるべきかという課題も浮上している。
ライブストーリー内のコンテンツは深刻なものからお祭りなどまで幅がある。銃撃戦のコンテンツが表示された7日にはスペインの牛追い祭りのコンテンツも並んで表示されていた。ほとんどの動画や写真がユーザーによって撮影されたものだが、スナップチャットの社員が表示するための動画や写真を選別していることは周知の事実だ。