スナップチャットに人種差別批判 「顔をボブ・マーリーにする」機能で炎上

(Photo: courtesy of Brian Ries)

スナップチャットが公開した「顔をボブ・マーリー風に加工できるフィルター」が物議を醸している。このフィルターは米国で「マリファナデー」とされる4月20日に公開された。

スナップチャットはボブ・マーリーの遺産管理団体、ボブ・マーリー・エステートと提携し、このフィルターを公開したという。

1981年に死去したボブ・マーリーは、レゲエの神様として世界中で愛されている。彼の死の3年後に発表されたアルバム「Legend」は、史上最も売れたレゲエアルバムで、これまで2000万枚以上のセールスを記録している。

今回の「ボブ・マーリー・フィルター」は公開と同時にネット上で厳しい批判を浴びた。主な機能はユーザーの自撮り写真にドレッドヘアとラスタ帽をかぶせ、目の色や鼻のラインを変更し、肌の色を黒くすることだが、非難の根拠となっているのは、このアプリが事実上、顔を黒人風に加工できる機能を提供しており、それが人種差別的だという見方だ。

これに対し、スナップチャット側は「ひどい勘違いで、人種的事柄に関する無知によるものだ」と反論している。同社はボブ・マーリー・エステートと正式に契約を結び、このフィルターを公開した点もアピールしている。ボブ・マーリーの遺族が設立したボブ・マーリー・エステートは、大麻ブランドの「マーリー・ナチュラル」を運営しており、「ボブ・マーリー自身が親しんだ“ジャマイカの遺産”である大麻品種」を用いた製品を販売している。

「このフィルターは人々がボブ・マーリーと彼の音楽に対する感謝をシェアする目的でリリースされました。何百万人ものスナップチャットユーザーがボブの音楽に親しんでおり、我々は彼の人生とその偉業に敬意を持っています」とスナップチャットの広報担当はフォーブスの取材に応えた。

ボブ・マーリー・エステートとしても、今回のフィルターでスナップチャットユーザーらに、製品をアピールしたい狙いもあるようだ。マーリー・ナチュラルは投資会社、Privateer Holdingが資金を注ぐ数百万ドルのビジネスで、販売サイトには、大麻の種を原料とする石鹸やボディケア製品(15ドル~25ドル)、天然のクルミの木で作られたパイプや小物入れ(39ドル~168ドル)といった製品が並んでいる。

ボブ・マーリーの娘、セデラ・マーリーは2014年、ロサンゼルス・タイムズの取材に対し次のように述べている。

「マーリー・ナチュラルはボブ・マーリーの大麻に対する考えを広めつつ、彼の偉業を讃え、大麻規制がもたらす社会的損害に終わりを告げる目的で設立されました」

編集=上田裕資

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