音楽業界の売上が低迷する中で、さらに厄介な疑問も浮上している。ストリーミングの急成長は音楽ビジネスの未来に何をもたらすのだろうか? その答えはニールセンやBuzzAngleのデータからは見えてこない。何故なら両社はストリーミングの売上の内訳を明かしておらず、有料会員と無料会員の比率も見えないのだ。全米レコード協会(RIAA)は通常、売上の詳細を半期に一度公開するが、本年度のデータはまだ公開されていない。
RIAAは今年3月、「2015年のストリーミング配信の売上が、初めて
デジタルダウンロード売上を上回った」と発表した。2015年の米音楽市場の売上は約70億ドルで、前年比0.9%の微増だったが、そのうち売上がもっとも大きかったのがストリーミングだった。また、音楽市場の売上が上昇したのも過去10年間で初めてのことだった。
しかし、市場が成長を続けられるかどうかは不透明だ。売上を伸ばすには、課金ストリームが無料ストリームを上回ることが必要だ。それにより、より多くの収入がアーティストやレーベルにもたらされるはずだ。しかし、現状では先行きはまだ見えてこない。