Tidalは支払いに必要な、楽曲の再生リポートも作成していないという。記事によると、以前も支払いが滞ったことがあるが、これほど長期にわたったことやこれほどの規模になったことはなかった。過去の延滞については話し合いで解決したが、たとえ今Tidalと仲介会社が問題解決に尽力していたとしても、レーベルにこのような長期間、支払いを怠るということは大きな問題だ。
記事の中で情報筋は、Tidalは故意に小規模なレーベルを無視しているのではなく、毎日世界中で再生される楽曲をトラッキングするのが技術的に困難な可能性があると指摘している。ストリーミングサービスにとっての難題は、1曲再生されるたびに発生する膨大な情報をいかに管理するかということだ。この情報はロイヤリティの支払いに必要なだけでなく、アーティストや楽曲の人気を測るバロメーターになり、リスナーの統計を取るうえでも重要なのだ。
Tidalに対する疑惑が浮上したのと同時に、同社の広報はロイヤリティはすべて支払っており、アーティストやレーベルのもとに届いていないのであれば、問題は仲介会社にあると主張した。
Tidalが資金不足でロイヤリティを延滞しているのか、従業員の手が回らなくなっているのかは分からないが、このような状況では同社のオーナーが代わるのではないかという噂が浮上するのも無理はない。2016年2月にはサムスンがストリーミングサービスのミルク・ミュージックを閉鎖してTidalを買収するのではないかとの憶測が流れたが、サムスンは即座に否定した。先週にはウォールストリートジャーナルが、Tidalとアップルミュージックの幹部が買収について話し合いを持ったと報じたが、詳しい内容についての続報はない。
フォーブスはTidalとPhonofileにコメントを求めたが、返答はなかった。