ビジネス

2016.06.26 15:00

某ブランドが作る「生地の長さ」は、日本経済のバロメーター?


優れた素材のみが宝物となる

オーストラリア、ニュージーランドなど、世界各地から集められる高級羊毛は、アルプス近郊の街トリヴェロの工場で、肌触りのいい、そして美しい光沢を持つ生地へと生まれ変わる。「いい素材は、いいデザインを求める」を企業理念とするエルメネジルドゼニアならではの贅沢な高級原料の買い付け。他社がうらやむこの姿勢こそが、同社を世界のトップテーラーの座に君臨させている最大の要因である。

厳選された原毛は、紡績や染色などを施し、じっくりと時間をかけて生地に織り上げられ、仕上げに表面の繊維をスチームで整えることで、手触りのよい美しい光沢を持つ生地が完成する。こうして出来上がった生地は、自社で在庫として使用するだけでなく、各アパレルメーカーへと出荷されていくこととなる。


ゼニアでは、単にいい素材を集めるだけでなく、幾度となく検査を繰り返し、極上のものだけを厳選して使うことを徹底している。この地道な作業こそが、最高の生地を作るためには欠かせない工程なのだ。

染色された糸は、専用の機械で丹念に織り上げられ、生地へと姿を変えていく。コンピュータ管理された柄のパターンの種類は何千にも及ぶ。なお、他社からのオーダーは極秘情報として扱われている。

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.23 2016年6月号(2016/04/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事