ビジネス

2016.06.26 15:00

某ブランドが作る「生地の長さ」は、日本経済のバロメーター?


人口推移とゼニアの戦略

世界の人口は、1日に20万人、1年で約7,000万人増え続けている。しかしながら日本をはじめとする先進国では、少子化が社会問題となり、老人大国への 懸念が論じられている。わが国で2016年に新しく成人する人口は121万人(うち男性が62万人)となり、6年連続で総人口に占める新成人の割合が1% を割り込むことが確認されている。

「いいものを長く」よりも、「安いものをたくさん」というマーケットに慣れきってしまった各アパレル メーカーは、少子化により大量消費が見込めない将来に向け、さまざまな策を講じているところだ。そんななか、自社工場で既製服からオーダーメイドまで、 スーツに特化したビジネスを続けるエルメネジルド ゼニアの存在は、再び訪れるであろう「いいものを長く」の時代のお手本となるに違いない。



1970年には、統計をとり始めてから最高の246万人(うち男性が124万人)が成人を迎えたが、2000年代になると、その数はおよそ100万人も減少していて、年々減少傾向にあることがわかる。
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文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.23 2016年6月号(2016/04/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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