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Zhong Zhi / gettyimages

中国政府のEV車普及策は、市場の実態からかけ離れた生産増を招いている。

政府が環境対策としてEV車の生産と購入に補助金を出しているのを受け、自動車産業のノウハウを持たない現地メーカーが、新エネ自動車製造に続々と参入している。中国経済の減速で既存事業が振るわない企業の鼻息は荒いが、むやみな投資は飽和懸念を増大させている。

中国最大の空調メーカー格力電器(Gree)の董事長ドン・ミンジュー(董明珠)は5月のプレスイベントで、自動車メーカー「銀隆新能源」を買収してEV車生産に参入すると表明した。銀隆新能源は昨年、EVバス3,189台を生産し、純利益6,080万ドル(65億円)、売上高4億5600万ドル(約486億円)をあげた。一方で格力電器の昨年の売上高は前年比30%減の148億ドル(1兆5,800億円)だった。

新エネ車メーカーへの転換を図っているのは格力電器だけではない。鉄鋼メーカーの方大鉄鋼科技は2015年、EV車メーカー江西特殊の株式を60%取得した。鉱山会社の西部資源も同年、バッテリーメーカーとEV車のスタートアップに3億400万ドル(約324億円)を出資した。中国の非鉄金属採掘大手である中国動力は2014年に主事業から完全撤退しEV車の生産を始めた。

地方政府も1兆円以上を投資

彼らの背後には、バッテリー工場やEV車の製造ラインに数十億ドルを投資する地方政府の存在がある。中国汽車工業協会によると、過去18か月で30件以上のEV車プロジェクトが発表され、投資総額は152億ドル(約1兆6200億円)を超えた。中国沿岸部の浙江省の湖州市は2月、16億ドルを投じてEV車用電池産業パークを建設すると発表した。

しかし、マーケットは生産に見合うほど成長していない。中国汽車工業協会によると中国の昨年の自動車販売台数は2460万台で、うちEV車はわずか33万台だった。政府は現地生産のEV車を購入した個人に23億ドルを超える補助金を出しているが、消費者の多くは充電施設の不足を理由に購入を見送っているという。

編集=上田裕資

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