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RunPhoto / gettyimages

先日、歌手プリンスの死因が合成オピオイドによるオーバードーズが原因と発表された。オピオイド系鎮痛薬の依存症が急増しているなか、米国では各種機関や専門家が、痛みのケアについて改めて考え直すよう呼びかけを行っている。慢性的な痛みは障害の主な原因になり、言うまでもなく心理的負担にもなる。それなのに、効果的で依存性のない対処法はほとんどない。

米疾病管理予防センター(CDC)は2016年に入って、米国医師会雑誌(JAMA)で、医師に向け、慢性的な痛みにオピオイドを処方する上での新たなガイドラインを発表。まずは薬理学的な方法ではなく薬を使わない方法で痛みに対処を試みるよう提言した。

また5月号の「JAMA」には、オピオイドの過剰処方に代わる選択肢として、瞑想が果たす役割の可能性を指摘する論説記事が掲載された。瞑想は全てのケースで効果がある訳ではないかもしれないが、軽い痛みや中程度の痛みを抱える人には効果が期待できそうであり、さまざまな種類の痛みを抱える人には少なくとも補助的な役割を果たしそうだ。万能薬ではないが、瞑想に疼痛緩和の効果があることを示す調査結果は着実に増えている。

2016年に入って行われた調査には、慢性的な腰痛を抱える人々が8週間、瞑想を取り入れたストレス逓減法(MBSR)のコースか、同じく痛みへの対処に効果があることで知られる認知行動療法(CBT)のコースのいずれかに参加した。効果を比較するためのグループは「通常の治療(調査参加者が受けた治療なら何でも)」を受けている人々で構成した。

その結果、MBSRを受講した人々は約44%、CTBを受講した人々は約45%痛みが軽減されたのに対し、「通常の治療」を受けた比較グループは27%だった。つまりMBSRもCBTも、標準的な治療よりも大幅に痛みを軽減するとみられる。

そして興味深いことに、瞑想はオピオイド系鎮痛薬とは異なる経路で痛みを軽減しているようだ。別の研究では、オピオイドのレセプター(受容体)をブロックした状態で被験者に瞑想を学んでもらったが、それでも刺激に対する痛みの感じ方は、比較グループよりも軽かった。研究報告の著者ファデル・ゼイダンは、「これらの所見は、オピオイド系鎮痛薬に耐性ができており、痛みを軽減する上で依存性のない方法を探している人々にとって、とりわけ重要な意味を持つ」と語る。

編集=森 美歩

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