ゼイダンはMRI(磁気共鳴映像法)を使った別の研究で、瞑想が脳内の眼窩前頭皮質と呼ばれる部分(自分のいる環境で何が起こっているかを解釈する機能をつかさどる)と、前帯状皮質と呼ばれる部分(認知機能を制御し感情を調整する)に影響を及ぼすことを発見。いずれも、オピオイドのレセプターが豊富な部分だ。瞑想はまた、脊髄からの情報を脳に中継する視床の活動減少とも関連があると分かった。
慢性的な痛みの“治療”としての瞑想が最も効果的なのは、どのような人なのかを解明するには、さらなる研究が必要だ。一部の人には効果がないかもしれない。また一部の人は、それ以外にも別の治療(薬を使うものも使わないものも含め)が必要かもしれない。
しかしCDCなどが強く勧めているように、痛みケアの選択肢の幅を広げる努力をし、オピオイド系鎮痛薬を主な対処法として使わなければ、私たちは今よりもっとずっと健康になるだろう。そしてその結果、過度な依存や被害が減ることが期待される。慢性的な痛みをケアする上で、ほかにも多くのメリットがあることを考えれば、瞑想はなかなかいい「薬」だ。