「深層対話力」を磨くと、自然に身につく「人間関係力」[『仕事の技法』著者インタビュー 最終回]

田坂広志氏


Q:この『仕事の技法』で述べられている「深層対話力」を磨いていくと、さらに、どのような能力が開花するでしょうか?

田坂:まず、この「深層対話力」を磨いていくと、必ず、会議力や営業力、マネジメント力や交渉力など、マネジャーや経営者として求められる高度な能力が身についていきます。

また、この「深層対話力」を磨いていくと、一般に「人間関係力」と呼ばれるもの、すなわち、仕事や生活において、他人との良い関係を築いていく能力が開花していきます。

なぜなら、「深層対話力」とは、相手の「無言のメッセージ」を感じ取る力であり、相手に「無言のメッセージ」を伝える力ですので、この能力を磨いていくと、自然に、他人との「無言のコミュニケーション」を自覚し、それを良い人間関係を築くために生かせるようになっていくからです。

ただし、本当に「人間関係力」を高めていこうと思うならば、ただ、「深層対話力」を身につけるだけでは限界があります。これに加えて、「こころの技法」と呼ぶべきものを身につけていく必要があります。

「こころの技法」とは、例えば、自分の心の中の「小さなエゴ」を見つめる技法や、相手に心を開く技法、心が離れた相手と和解する技法、などです。
この「こころの技法」については、私の最新著、『人間を磨く - 人間関係が好転する「こころの技法」』(光文社新書)において、「7つの技法」を具体的に述べましたので、興味のある方は、お読みください。

この『仕事の技法』と『人間を磨く』という2つの著書で述べた2つの技法、「深層対話の技法」と「こころの技法」は、日々の仕事や生活において、すぐに実践できる極めて具体的な技法です。それを実践されるならば、確実に、仕事力と人間関係力が、大きく向上するでしょう。

読者の皆さんにとって、この2つの著書が、飛躍の機会になることを願っています。
a

インタビュー=フォーブス ジャパン編集部

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事