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“何を得るにしても、悟りを得よ。”

Zoya Stafienko / gettyimages

「パナマ」と聞けばこのところ、即座に「文書」という言葉が頭に浮かぶ。残念なことだ──世界的にはほとんど知られていないこの中米の小国の今について、最近この国を訪れたばかりの記者が、その現状を伝える。

パナマは21世紀の世界において、目覚ましい経済成長率を誇る国のひとつだ。2015年の経済成長率は6%をわずかに下回ったものの、今年はまた6%超を記録すると見込まれている。

世界各国でヘッドラインを飾る言葉の一方で、パナマは実際には、たちの悪いマネー・ロンダリング(資金洗浄)がはびこる“へき地”などではない。それとはまったく逆の国だ。地域だけでなく、世界各国の金融機関が進出している首都パナマ市は、中南米の金融センターになりつつある。

透明性においても、パナマは大きな進歩を遂げている。マネー・ロンダリング問題の対策に向けて設立された政府間会合、金融活動作業部会(FATF)は今年、対策が遅れている国を示す「グレー・リスト」からパナマを外した。また、同国は2012年には、経済協力開発機構(OECD)の対策に非協力的なタックスヘイブン(租税回避地)を挙げた「ブラックリスト」からも除外を認められている。

無記名株式を廃止するなど、パナマはこれらの問題にかかわるその他の改革も進めている。2018年には、OECDの定める透明性基準を満たすことができる見通しだ。

順調な経済成長

パナマ政府は先ごろ、総額12億ドル(約1,320億円)の国債を発行、入札は非常に順調だった。同国の債務残高の対GDP比はわずか40%(米国は100%超)。外国企業からの直接投資も活発だ。

また、ニューヨークとシカゴを除くと、パナマは西半球で最も超高層ビルが数多く建設されている都市だ。中南米にある高層ビルの中で最も高さのある25棟のうち、16棟がパナマ市に集中している。域内にはサンパウロやメキシコ市、ブエノスアイレスといった大都市があることを考えれば、驚くべきことだ。

このほか同国の経済成長をけん引しているのは、医療ツーリズムだ。ジョンズホプキンズ大学病院などが、大規模な施設を設けている。欧州各国の中でも医療体制が事実上崩壊しているような国では十分な医療を受けられないことから、そうした国の数多くの人たちが、手頃な料金で診察や治療を受けられるパナマを訪れている。一般的な観光業も今後、さらに促進していくことができるだろう。

パナマはまた、働く意欲がある外国人の受け入れにも寛容だ。コスモポリタンとなったパナマ市には、さまざまな国籍の人たちが暮らしている。

税制も整っている。付加価値税は7%。また、この国には相続税がない。さらに同国政府は、香港のようなフラット税の導入を目指している。

前進を世界に広く訴えるべき

約25年前、麻薬組織との関与でも悪名高かった独裁者マヌエル・ノリエガが米国軍の介入によって追放されて以来、民主主義はパナマに深く根付いている。

汚職は依然として、同国が抱える課題の一つだ。前政権は収賄の問題が多いことで知られていた。だが、こうした政府関係者らはすでに起訴されている。同国民の多くは、中流層の拡大に伴い、不正に対する監視の目の厳しさは高まっていくと考えている。

世界各国では、金融政策における混乱の度合いが増し、保護貿易主義を訴える勢力が力を増している。世界経済の減速とその国際貿易への悪影響は、この小国にとってはなすすべもないことだ。そうしたなかでもパナマは、これまでに自国が収めてきた成功について、世界中により強く訴えていくべきだろう。

編集 = 木内涼子

 

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