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2016.04.13

世界を揺るがす「パナマ文書」とは一体何か、公開の経緯と今後の展望

パナマの法律事務所モサック・フォンセカの看板 (Photo by Joe Raedle/Getty Images)

パナマの法律事務所、モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)からの大量の情報流出が4月3日に公表されて以来、この問題に世界中が大きく揺れている。各国の政治家や富豪をはじめ、多数の著名人の名が次々と挙げられる「パナマ文書」とは一体何なのか。これまでに明らかになっていることをまとめた。

モサック・フォンセカのホームページによれば、同社は「総合的な資産管理サービスを提供する」法律事務所だ。そして、同社はパナマをはじめ、タックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれる国・地域を含む以下の法域で調査・顧問業務を行っている。

ベリーズ、オランダ、コスタリカ、英国、マルタ共和国、香港、キプロス、英領バージン諸島、バハマ、パナマ、英領アンギラ、セーシェル共和国、米領サモア、ネバダ州・ワイオミング州(米国)

流出した文書は約1,150万件の財務記録や法的記録などの機密情報。モサック・フォンセカが創設された1977年以来、約40年分の記録だ。これらのデータ量は、2.6テラバイト(2600ギガバイト)に上る。米国家安全保障局(NSA)が行っていた極秘情報の収集活動を暴露したNSAの元契約職員、エドワード・スノーデンが流出させた情報よりも膨大な量に及ぶ可能性がある。

情報公開までの経緯

独日刊紙、南ドイツ新聞におよそ1年前、ある匿名情報が寄せられた。情報提供者は見返りを要求せず、ただモサック・フォンセカに関する情報を提供したいとのことだった。「犯罪を公にしたい」とだけ、動機を語ったという。

南ドイツ新聞はその後、数か月かけて同社の内部文書や写真などを入手。それらを国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)と共有し、ICIJの提携メディアとも共同で、情報の分析を行った。今後、5月中にも追加情報を公開する予定だという。
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編集 = 木内涼子

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