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Gualberto Becerra / shutterstock

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は5月9日、パナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出した情報に含まれていた20万を超えるオフショア企業の社名を検索可能なデータベースの形で公開した。

データ量が2.6テラバイト余りに上る「パナマ文書」を最初に入手したドイツの南ドイツ新聞とICIJによると、データベースの中にはすでに犯罪活動への関与が指摘されている企業のほか、不正に利益を得ていた会社や課税逃れのために租税回避地(タックスヘイブン)を使っていた疑いがある200以上の国・地域の企業名が含まれている。

これら企業の中には、合法的にオフショア会社を運営していたものも数多くあるだろう。しかし、報道やソーシャルメディアのヘッドラインは、ただ関連があったというだけで、それらも“有罪”扱いする可能性がある。

デジタル時代の企業の広報活動は、潜在的な危機においてどうあるべきなのだろうか──?すべてを合法的に行っていたとしても、不当に犯罪活動と関連付けられ、色々と詮索されることも考えられる。メディアと世論の圧力によって“告発”されたり、世論という名の法廷で批判を浴びたりする前に、関連が指摘された企業はいち早く、先を見越した行動を起こさなければならない。

PRコンサルティング会社エデルマンの顧問を務める危機管理の専門家、マウリシオ・フェーロは、まずは目標と戦略を明確にし、次に戦術を練ることが必要だと強調する。パナマ文書の問題に関しては、「…投資家、規制当局、ジャーナリストたち、その他のあらゆる利害関係者たちからの質問に答えるための準備を整えておくこと」が必要だという。

同氏はさらに、事前に対策を講じるための具体的な指針として、以下の3点を挙げた。

1. 計画を立てる

インターネット上の情報を多くの人が自動的に“事実”と受け止めてしまうデジタル時代において、次のアドバイスには大きな説得力がある。「ググって」得た結果を即座に信じ込んでしまう世の中の傾向は、多くの個人や企業の広報部門にとっての最悪の悪夢を招きかねない。

マーケティング学が専門のペパーダイン大学グラジアディオ経営大学院のスティーブン・レイピア教授は、「危機の深刻さの程度に合わせ、それぞれに適した対応策を危機発生前に策定しておく必要がある。十分に練られたコミュニケーション方法を、事前に準備しておくことだ」と指摘する。

フェーロはこれについて、「予想し得る結果について検討し、シナリオを作っておくことだ。誤った、あるいはゆがめられた不利な事柄が伝えられるという最悪のケースを想定しておく必要がある」と語る。さらに、「報道陣に対し、そしてソーシャルメディアを通じて、何を伝えるかをあらかじめ準備しておくべきだ」という。

2. 一貫した透明性を保持

報道関係者、当局関係者に対し、いつでも対応可能でいることが必要だ。どのような方法を通じた対応においても、社内のすべての部署が一貫した態度で応じなくてはならない。また、その言動は社内での慎重な検討に基づき、統一されたものでなくてはならない。

また、フェーロによれば、「オフショアでの金融業務については経営幹部の全員が、コミュニケーションに関する社内の計画、管理方法、方策を一致して認識しておく必要がある」。

3. 警戒心を維持

危機発生時におけるコミュニケーションのあり方についてレイピア教授は、事前に計画を立てていても、問題はおこり得ると警告する。個人も企業も、報道機関やソーシャルメディアを通じてどのような情報が公開された場合にも備えて、警戒しておく必要がある。

また、ツイッターやフェイスブックへの書き込みは放置せず、適切な対応や回答を準備しておくことだ。

教授はまた、「危機においては、メディアも世論も対象の個人や企業は信用できないとの先入観を持っている可能性がある」と指摘する。「こうした場合に課題となるのは、予想外の質問にも誠意をもって回答し、信用に足る言動でその答えを裏付けることができるかどうかだ」。

ICIJはこれまで、有力な政治家や芸術家をはじめとする著名人の氏名や大企業、犯罪組織の名称を公開するにとどめていた。だが、今回のデータベースの公開によって、状況は変わった。関連があるものはすべて、その影響から逃れられないだろう。

編集 = 木内涼子

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