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2016.04.24 11:00

米国の法人税事情と連邦政府の税の使い道トップ10

bleakstar / Shutterstock

2015年度に最も利益をあげた企業トップ10は、1位から順にアップル、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ギリアド・サイエンシズ、ベライゾン・コミュニケーションズ、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、アルファベットとエクソンモービルだった。

これらの巨大企業があげた収益総額は6,650億ドル(約72.4兆円)、総売上高は約1,750億ドル(約19兆円)で、支払った税の総額は600億ドル(約6.5兆円)を上回った。

1位のアップルが支払った税金は130億ドル(約1.4兆円)近くと、2014年度の100億ドル(約1.08兆円)から増加。バークシャー・ハサウェイは約45億ドル(約4,899億円)、エクソンモービルは(原油価格が今よりも高かった)2014年度から180億ドル(約1.95兆円)減の約73億ドル(約7,947億円)だった。

C型肝炎の治療薬の大ヒットで業績を伸ばし、新たにトップ10入りしたバイオ製薬会社ギリアド・サイエンシズは、純利益180億ドル(約1.95兆円)、支払った税は35億ドル(約3,810億円)。

もちろん、これらの税金は全てが米財務省に支払われたわけではない。アメリカの法人税率は35%と諸外国よりも高いため、これらの多国籍企業では、税負担を軽減するためにさまざまな策を講じているからだ。そのためトップ10企業の事実上の税率は平均で25%、最も低いギリアド・サイエンシズとアルファベットは16.4%だ。

米財務省が受け取る法人税は3,500億ドル(約38.1兆円)。個人が支払う所得税や社会保険料、退職貯蓄制度などを合わせると、2016年度に米財務省に入る総額は3.18兆ドル(約346兆円)だが、同省の支出総額は3.8兆ドル(約413兆円)にのぼる。
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編集=森 美歩

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