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産業イノベーションと世界の自動車産業に関する執筆を担当。

Huntstock / gettyimages

今や自動車メーカーは車をつくっているだけの企業ではない。「モビリティ(可動性)メーカー」だ。これは各自動車メーカーが、新たなビジネスモデルや新たな競合(ウーバー、リフトやグーグルなど)への適応手法を説明する上で自ら使用している言いまわしだ。

だがトヨタ自動車が考える“未来の可動性“は、さらに幅広い。カリフォルニア州パロアルトに10億ドル(約1,099億円)を投じて設立した人工知能技術の研究・開発子会社トヨタ・リサーチ・インスティテュートでは、人々が家の外だけでなく、家の中で動きまわるのを手助けするためのアイデアについても取り組みを行っている。

「モビリティの未来は、数年前には想像もしなかった領域へと広がりつつある」と、トヨタの北米事業を統括するジム・レンツは言う。「自動車をつくる技術があるなら、それを社会で役に立つ、他の目的にも生かすべきだ」

この哲学に基づき、トヨタはセグウェイを開発したディーン・カーメンと提携し、次世代のモーター付き車椅子iBOTの開発に乗り出した。トヨタはカーメン氏の創設したDEKA Research and Developmentに資金提供を行う代わりに、同社が所有する平衡保持のテクノロジーの使用権を取得する。

カーメンは15年前に、ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの資金援助を得て、階段を上ることが出来るこのユニークな車椅子iBOT(の第一世代)を開発した。車椅子には2セットの駆動輪がついており、これらを巧みに操り、ジャイロスコープを使って階段を「歩いて」上り下りすることができる。

また、車椅子に乗った状態で、一緒に歩いている人の目線まで“立ち上がり“、“肩を並べて歩く“ことも可能だ。頑丈なつくりで、舗装された道路だけではなく、さまざまな地形に対応することができる。

障害者に可動性と尊厳を取り戻させる革命的な方法だと称賛されながらも、初代iBOTは2009年に製造が中止された。メディケア(米高齢者向け医療保険制度)では、通常の電動車いすと同じ機能以外は給付対象と認められなかったためだ。iBOTは1台2万6,000ドル(約285万円)、メディケアの支給が認められたのは6,000ドル(約66万円)のみだった。

だがトヨタの協力によって、iBOTが新バージョンとして復活することになる。

編集=森 美歩

 

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