研究報告にある電子たばこ関連の中毒事故4,128件のうち、死亡事故は1件。ほかにも2人の子どもが発作を起こし、3人が呼吸停止になり、4人がこん睡状態に陥った。最も多かったのは721人が経験した嘔吐で、その後は咳や息苦しさ、目の炎症や痛み、眠気や頻脈などを伴い、1.6%が入院につながっている。
これに対して葉巻など電子たばこ以外のたばこ製品関連の中毒が入院につながる確率は0.3%だ。
米国で2016年1月に成立した子供のニコチン中毒を予防する法律では、今夏から電子たばこ用液体の容器を子どもが開けられないようにすることが定められており、スミスはこれで中毒が減ることを期待している。米小児学会も、幼い子どもを含め、若者の電子たばこや電子たばこ用液体、関連製品へのアクセスを減らすよう提言している。
子どもの電子たばこ関連中毒のうち、報告書に経緯の記載があった243件のうち100件は、子どもの見えるところに電子たばこが保管されていた。うち30件は一時的に容器を開けて使用中で、そのほかの場合は常に出しっぱなしだったり、保管が不適切だったりした。
スミスは、電子たばこは家にあるそのほかの毒物と同じように扱うべきだと提言する。「保護者は子どもから離れたところで電子たばこを使用し、リフィルも子どもに見えないところで行うべきだ。使い終わったら子どもの目の届かない、できれば鍵のかけられる場所にしまうことだ」
財布の中や車のダッシュボードなど、子どもの手の届きやすいところに入れておくのは避けるべきだ。