妄想から現実へ 佐渡島の「循環型」島内生産

太陽光パネルを設置してエネルギーまでも「佐渡産」にしてしまおうという壮大なアイデアの始まりは「妄想から」

起業家から、NPO、大学、老舗企業まで、住民総出の街づくり。あなたの街でも、すぐに真似できるモデルがあるかもしれない。全国23拠点を持つトーマツベンチャーサポートからの協力を得て編集部で厳選した、今、最もおもしろい地方のアイデア集。

妄想から現実へ。「循環型」島内生産

離島の地の利を生かして「循環型島内生産」に挑むのが、佐渡島の尾畑酒造の五代目、尾畑留美子だ。朱鷺がすむ豊かな自然環境を、お酒を通じて世界へ「見える化」したい。すべてはそれを起点に、プロジェクトは多様に広がる。

佐渡産の水、米だけではなく、廃校を仕込み蔵として再利用し、そこに太陽光パネルを設置してエネルギーまでも「佐渡産」にしてしまおうという壮大なアイデアの始まりは「妄想から」(同前)。

しかし、地域循環エネルギーを研究する東京大学IR3Sとの共同研究につながり、現在では必要電力の20%を賄う。「日本も島国であり、佐渡は日本の縮図。最先端のものづくりを佐渡で行い、全国に広げたい」。尾畑の挑戦は続く。

尾畑酒造@新潟県佐渡市
1892年創業「真野鶴」醸造元の老舗酒造。専務取締役の尾畑留美子は、大手映画配給会社を経て1995年に実家である尾畑酒造へ。2014年より廃校を再利用した「学校蔵プロジェクト」を創始。
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フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.22 2016年5月号(2016/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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