ビジネス

2016.05.05

脱衣類、福井老舗の機屋がスクリーン直販で大ブレイク

プロジェクタースクリーンの専門店「シアターハウス」は、ホームシアター市場の黎明期に、手頃な価格のスクリーンを直販するという当時にしてはめずらしい手法で顧客の支持を得た。

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脱・衣類。老舗の機屋がスクリーン直販で大ブレイク

契機は突然やってきた。のちにシアターハウスを立ち上げる吉村明高はある日、友人宅でホームシアターの大画面に感動し、自宅に導入。しかし不満が募り、自作を思い立つ。

幸い、家業は糸を布地にする「機屋(はたや)」。布や布に関するノウハウは売るほどある。完成品は大満足の出来で、「欲しい人がいるかもしれない」とネットオークションに出品したところすぐ売れた。本腰を入れると売り上げは2カ月で本業を超え、迷わず転業を決めた。

大画面を継ぎ目なく縫製する機屋ならではの技術力はもちろん、センチ単位の特注品も即日発送する迅速さ、直販による安さ、常に改良開発に挑む実直さなど、徹底した顧客主義で、スクリーンネット直販のトップをひた走る。

シアターハウス◎福井県福井市
創業2001年。ホームシアター市場の黎明期に、手頃な価格のスクリーンを直販するという当時にしてはめずらしい手法で顧客の支持を得た。社員8人、売り上げ3.5億円、年間販売数5,000本。

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シアターハウス店長 吉村明高

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フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.22 2016年5月号(2016/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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