だが、お金とそれに付随する問題を職場から切り離すことはできない。働く私たちの考えを支配し、業績や集中力にも影響を及ぼす問題だ。
コンサルティング会社ウイリス・タワーズワトソンが先ごろ公表した調査結果は、従業員の個人的な金銭問題を適切に、余裕を持って管理することの重要性を強調するものだ。労働者の間には現在、金銭的な問題でストレスを抱える人が増加していると指摘されている。主に指摘されている結果は、以下の通りだ。
・金銭的な問題があって仕事に集中できない従業員は2015年中、「プレゼンティーイズム(疾病就業)」によって2週間分の生産性を失っていた
・金銭的な問題に関連したストレスがあり、職場に積極的に関与できないと答えた従業員は59%に上る
・従業員の76%は、年上の世代より自分たちの方が、退職後の生活に対する不安感が強いと考えている。
職場も対応が必要
私たちはこれまでさまざまな形で、金銭的な問題に関して計画を立てる方法を学んできた。退職後の人生設計や投資、基本的な貯蓄の方法についての理解は深まっているはずだが、全体的な状況が改善されていないのはなぜだろう。
それどころか、実際には状況は悪化している。金銭的な問題に関する不安は現在、大きなストレス要因となっている。月単位でお金の問題にストレスを感じると答える米国人は、全体の72%に上る。また、パートナーがいる成人の約30%が、けんかの主な原因は、お金の問題だと答えている。
こうした人たちは必ずしも、現在のような状況に陥る必要はなかったのだ。以下、給与の額に関わらず、金銭的な問題に関連したストレスに対し、どのように対応すべきかに関する基本的な点を紹介する。