調査は米国、カナダ、インド、英国をはじめとする主に英語圏の国の7,600社近くを対象に実施した。その結果によると、2015年に業績が目標を上回った企業の90%(調査に回答した企業の約30%)が昇給を行っていた。一方、それ以外の(業績ランキングで中位だった)企業のうち、昇給を行ったのは84%だった。
昇給を実施した企業のうち、中位の企業の39%とトップクラスの企業の42%が、従業員の96~100%の給与を引き上げていた。さらに、上位企業の81%はボーナスを支給。対する中位の企業でボーナスを支給したのは、74%だった。
中位の企業の87%と上位の企業の94%は、2016年中の昇給を予定している。とはいえ、いずれの企業グループでも、昇給率は5%以下としている企業が77%を占めている。
こうした数字から浮かんでくるのは、「鶏が先か卵が先か」という議論だ。上位の企業の成功の理由は、従業員への好待遇なのか、それとも成功の結果、より多くの給与が支払えるというだけのことなのだろうか。
その答えの手がかりとなるのは、従業員に対する企業の総合的な態度にあるかもしれない。ペイスケールのティム・ロウ副社長は、給与はひとつの側面にすぎないと述べると共に、「調査で確認されたのは、コストがかかる訳ではない一部の習慣において高い評価を得ている上位企業にみられる、従業員を大切にする態度だ」と指摘した。
この違いは、調査結果からみて取ることができる。上位の企業の86%は、「最大の資産は従業員」だと回答(中位の企業でこう考えるのは78%)。また、上位の企業は47%が給与の透明性の確保を重視する一方で、中位の企業でこう考えるのは、39%のみだ。さらに、30%もの上位企業がチームごとにボーナスを支給しているにもかかわらず、中位の企業では、その割合は26%だった。