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I cover mental health, mindfulness and work-life integration.

g-stockstudio / Shutterstock

「少量の飲酒は健康に良いのか」という問題に関連してここ数年のうちに発表された研究結果の間には、あまりに大きな違いがある。

一部の研究結果は、適度の飲酒をする人はまったく飲まない人に比べ、心臓疾患やアルツハイマー病などのリスクが少なく、寿命が延びる可能性があると指摘している。また、飲酒の習慣がない患者に対し、お酒を飲むよう勧める医師もいると書かれた報告書もある。

だが、一方では飲酒と健康の関連性そのものに疑いの目を向ける研究結果もある。飲酒の習慣がない人たちが酒を飲まない理由が、そもそも明らかにされていない研究が多いというのが理由だ。疑問を呈する報告書を発表した研究者の一人、ティム・ストックウェルによると、「適度な飲酒をしている人たちと比較されているのが、どのような人たちかが明確ではない」という。

ストックウェルと研究チームは、適度の飲酒が実際に健康に良いのか確認するため、過去に公表された87件の研究結果を見直した。すると、大半の調査では過去に飲酒の習慣があった人も、「まったく飲まない」または「ときどき飲む」グループに入れられていたことが分かった。健康に問題があることが理由で飲酒をやめた人が含まれている可能性があり、全体的な結果に問題や偏向を生じさせている可能性がある。つまり、これらの研究結果では、禁酒したことが健康上の問題の原因であるかのようにも受け取れるということだ。

チームは実際に、断酒の理由を明確にしている研究が87件中、わずか13件だったことを確認した。さらに、これら13件の結果をみると、適度な飲酒がまったく飲まない場合より健康に良い効果をもたらすことを示す結果は示されていなかった。

ここ10年ほどの間に公表された研究結果の中には、「過去に飲酒の習慣があった人を除いて考えると、適度の飲酒がもたらすとされた健康増進効果はなかったことになる」と指摘するものが複数ある。同様に、これまで飲酒がリスク軽減に関連しているとされた疾患のリストにも、疑わしい点が出てきている。

ストックウェルのチームによれば、そのリストには以下の疾患や症状が含まれるが、一部は生理学的に、飲酒との関連性があるとは考えられないものだという──難聴、股関節骨折、風邪、一部のがん、出産時の合併症、認知症、肝硬変など。

こうした疑問が浮上するなか、英国の保健当局は数か月前、推奨される1日当たりの飲酒量を、男性も女性と同じ「ワインなら一週間にグラス6〜7杯」に変更した。性別によって適量を変えるべき根拠はないと判断したためだ。

一連の研究結果を受けて、飲酒に対する私たちの態度がどのように変化するか、それは時間の経過と共に明らかになることだろう。医師らの勧めでは、1日当たりグラス1~2杯ではなく、週1~2杯が適切、ということになるかもしれない。

編集 = 木内涼子

 

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