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Under30フランチャイズ、テクノロジー、企業家を担当。

Alexander Supertramp / Shutterstock

ベンチャーキャピタリスト、アンドリュー・チャンのキャリアは決して順風満帆だったわけではない。過去10年間、チャンはライトスピード・ベンチャーズ(Lightspeed Ventures)とコースラ・ベンチャーズ(Khosla Ventures)で一貫してクリーンテックを担当してきたが、同僚らは多額の設備投資を必要とするこの産業に見向きもしなかった。

今年2月、チャンはコースラベンチャーズを退職し自らのベンチャーキャピタルファンド「1955 Capital」を設立した。社名は、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブス、エリック・シュミット、ビノッド・コースラといったテック業界を代表する偉人らが生まれた年、1955年に由来する。ファンド規模は2億ドル(約220億円)で、主な投資領域はエネルギー、食、農業、ヘルスケア、教育だという。チャンはファンドの活動を通して、欧米のテック系スタートアップが中国市場に参入する支援をしていきたいとしている。

中国のテック企業向け投資に集中

チャンはコースラベンチャーズ時代から投資先企業の中国進出を熱心に手助けしてきた。例えば、バイオ燃料スタートアップのLanzaTechには中国の大手鉄鋼メーカーを紹介し、重要なパイロットプロジェクトを実現させた。今後は、自らファンドを運営することでこれまで以上に柔軟に米中の架け橋となる活動を推進する考えだ。

「去年は中国を13回訪れたが、わずか6時間の滞在で企業と商談したり、未舗装の道を運転して地方の村を訪れたこともあった。こうしたハンズオン型の中国進出支援を今後も強化していく」とチャンは話す。38歳のチャンはアメリカ育ちだが、北京語と広東語を流ちょうに話す。

チャンの投資方針は、中国やインド市場向けに2年以内にテクノロジーを商業化する見込みのあるスタートアップを対象にシリーズB、シリーズCのステージで投資することだ。彼は前職時代にはよりアーリーステージの投資を行っていたという。チャンは2015年の秋にコースラベンチャーズを退職したが、在職時代に担当したLanzaTech、EcoMotors、BioConsortiaの3社については、引き続き取締役を務めるという。

株式市場の見通しが不安定で、いわゆるユニコーン企業の業績が低迷する中、新規ファンドを組成するには厳しい環境だと言える。

「2016年はさらに環境が悪化するだろう。スタートアップ企業も事業の差別化ができなければ経営が厳しくなる。こうした逆境の中でも、早期にこれだけの規模のファンドを立ち上げることができたのは幸運だ。我々が実現しようとしていることに対するニーズが大きいことの証だ」とチャンは話す。

チャンはファンドの2億ドルの出資者について「中国とアメリカの投資家」とだけ述べ、名前は明かさなかった。

編集=上田裕資

 

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