フェイスブックの「10年計画」に深くコミット
ザッカーバーグCEOは、公式サイト上でデュガンの参画を歓迎するコメントを発表した。
「レジーナがDARPA流の製品開発手法をフェイスブックに持ち込み、我々のミッションの推進に貢献してくれることをとても期待しています。彼女が優れているのは、野心的な研究開発、成果を出すまでの時間設定、大学や中小企業とのパートナーシップ、大量生産を視野に入れた開発体制の構築などの面で多くのノウハウを有している点です。我々は今後数年で数百人の人員と数億ドルの予算を彼女のチームの活動に投入していく予定で、その成果をとても楽しみにしています」
53歳になるデュガンは、フェイスブックが今後取組みを強化する分野について詳細を明かしていないが、Building 8は人工知能に関する研究など、同社が得意とするテクノロジーを活かしたハードウェアを開発し、ザッカーバーグが提唱する「世界をつなぐ」というミッションの実現に貢献していくとしている。
「フェイスブックではミッションの内容と一貫した興味深いプロジェクトが多く、とても魅力的だ」と彼女は話す。
4月12日に行われた開発者カンファレンス「F8」でザッカーバーグは、同社の10年ビジョンと、3年、5年、10年の達成目標を発表した。中長期的には、人工知能や拡張現実、仮想現実の分野の取組みを強化するほか、インターネットに接続できていない40億人の人々に対してネット環境を整備する考えを明らかにした。
「Building 8の取組みは、F8でマークが掲げた世界をつなげるという目標の達成に向けて重要な役割を果たすでしょう」とフェイスブックのCTOで、デュガンの上司となるマイク・シュレーファーは公式サイト上で述べている。
「スマートシステムや臨場感のある没入体験こそが、我々の目指す新しい人と人とのつながり方です。これを実現するために新設したチームにリーダーを迎えることができ、とても興奮しています」
デュガンの退職がグーグルのATAPにどのような影響を与えるかは不明だ。ATAPには現在100名を超えるスタッフが在籍しており、複数のプロジェクトが同時進行で動いている。成功した製品はATAPを「卒業」し、グーグル内の別組織かパートナー企業に引き継がれる。デュガンはATAPの設立者で、これまで同組織の顔であり、一番の広告塔でもあった。
グーグルは声明の中で次のように述べている。「レジーナ・デュガンのこれまでのATAPにおける貢献とリーダーシップに感謝し、彼女の今後の成功を祈念します」。