従来は砂漠で実験飛行をやっていた
同社によると、FAAがクラスB空域でドローンの飛行を許可したのは今回が初めてだ。許可を得るまでに1年を要したことから、クラスB空域で飛行許可を得ることがいかに難しいかが分かる。また、ドローンを飛ばす場合には少なくとも48時間前に航空管制に通知する必要があるほか、管制官の業務時間外には飛行できないなど、厳しいルールに従わなくてはならない。
クアルコムはこれまで砂漠地帯まで行って実験を行っていたが、許可を得たことにより、アメフトの競技場ほどの大きさの実験場を使用できることになった。
エンジニアリング担当のPaul Guckian副社長は、「遠方まで行かずして実験できるようになるため、これはとても重要なことです。すべての研究開発施設をここに集められます」と語る。
競合のインテルらとの競争も加熱
今後予定しているのはLTEと5Gの実験や、ドローン専用チップSnapdragon Flightの実験だという。
クアルコムはドローンに特に注力している。同社はハイエンドなアンドロイドスマホ向けのセルラーモデムとSnapdragonプロセッサーで大きなシェアを持っているが、市場は急速に成熟しつつある。そのモバイルにおける強みを、ドローンから自動車、電球やサーモスタットにまで応用しようとしているのだ。
急成長しているドローン市場には、他のチップメーカーも参入を目指している。ライバルのインテルは特に力を入れており、障害物の回避に役立つ3DカメラRealSenseを売り込んでいる。同社は最近、ドイツのドローン関連スタートアップのアセンディング・テクノロジーズを買収したばかりだ。
ドローンメーカー最大手のDJIも最新モデルのPhantom 4ドローンの障害物回避機能を、小規模スタートアップのMovidiusと開発した。搭載されたのはMovidiusのコンピュータビジョン・アプリケーション用の低消費電力なビジュアル・プロセッシング・ユニット(VPU)だ。