東南アジアのマーケティング事業を手掛けるDI Marketingの調査によると、スマートフォンユーザーの10人中9人が、スマートフォンでしかネットにアクセスせず、ユーザーの80%は日常的にSNSを利用している。
つまり、モバイル端末を通じて消費者に働きかけようとするブランドにとって、ベトナムには巨大な機会があると言える。では具体的にどのような宣伝手法が効果的なのだろうか。
Omnicom Media(オムニコム・メディア)とEpinionがまとめたレポートによると、ベトナム人の間で特に人気なのはフェイスブックとインスタグラムだ。また、スマホがないと耐えられないと答えたユーザーは60%、スマホから1時間離れることすら難しいと回答したユーザーは44%もいた。
コンテンツについては、ベトナム人はジョーク系のものや実用的なもの(メイクアップ動画など)を好み、動画コンテンツも人気だという。面白いビデオは拡散しやすく、きわどい笑いを提供するコンテンツは瞬く間に広がる傾向がある。
サイゴンの広告エージェンシーDinosaurのSumesh Peringethは「ユーモアにあふれたシンプルで奇抜なショートビデオは極めて効果的だ」と語る。彼のチームが現地の飲料ブランドVinasoyのキャンペーンビデオを制作した際も、若い層をターゲットに陽気な内容に仕立てて成功したという。
一方、実用系のコンテンツは、また違ったやり方が必要という。Peringethは韓国の化粧品メーカーLG cosmeticsのブランド、Essanceのキャンペーンも実施した。
「化粧品のような商材の場合、よりシリアスな取り組みが必要だ。女性にとってメークは大事なことだからだ。このようなセグメントでは実用的な情報が好まれる」と述べた。