スタブハブの同期の売上高は、前年同期比で34%増加した。通年の売上高は7億2,500万ドル(約832億円)で、イーベイの総売上高の約9%を占めた。第4四半期のスタブハブの総取引高(GMV)は、前年同期比30%増の10億ドルに達した。
イーベイのデビン・ウェニグCEOはアナリストらに対し、2007年に3億1,000万ドルで買収したスタブハブは大規模なイベントの有無に売り上げが左右されることから利益の増減が激しく、四半期ごとの決算を毎期発表する考えはないと述べた。
「スタブハブの売上高は期ごとに大きく変動する。スーパーボウルでもどのチーム同士の対決になるか、どのようなイベントが開催されるかなどで売り上げが変化し、利益はイーベイ以上に不安定になる」という。しかし、スタブハブには今後も成長が見込めるとして、「今のペースで成長が続くかどうかは分からないが、良いビジネスだ。買収以来、イーベイの基盤の一部を利用してスタブハブの事業を拡大してこられたことには誇りを持っている」と語った。
一方、イーベイは現時点では、資本を様々な事業に賢く配分できているという。純負債はほぼゼロ、マーケットプレイス事業も40%超のEBITDA(減価償却前営業利益)マージンを生み出し続け、年間のフリーキャッシュフローは20億ドルを超える。こうした現状をみれば、イーベイは資産の収益化を急ぐ必要がない。しかし、中核事業の成長鈍化が続けば、再び物言う投資家カール・アイカーンのような投資家らが、収益性の高い事業部門のみを分離させ、独立させようとするかもしれない。
アイカーンはイーベイに対し、決済大手ペイパルの価値はイーベイ傘下にあっては過小評価されると主張。分社化を訴え、実現させた。そして、投資家らはそれによる果実を得た。その後、アイカーンは2015年下期にイーベイ株を売却、ペイパル株を大幅に買い増している。