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Oksana Kuzmina / Shutterstock

妊婦が魚を食べるとその子供は認知機能が高まり、ASD(自閉症スペクトラム)等の発達障害が起こりにくいことが、スペインの環境疫学研究センターCREALの研究で分かった。

調査対象となったのは妊娠中の女性約2,000人。食事の内容と合わせ、脂が多い大型の魚(マグロ、メカジキ等)、脂が多くより小さい魚(サバ、イワシ、サケ等)、赤身の魚、燻製にした魚、貝類を、週にどれくらいの頻度で摂取したかも調べた。出産後、子供たちが14ヵ月と5歳のとき、認知機能をチェックするためのテスト及び自閉症スペクトラムの特性に関するテストを実施した。

その結果、妊娠中に多く魚を食べた女性の子供は、認知機能テストでより高い得点を記録し、発達障害の発生も少ないことがわかった。調査対象となった女性は、平均週500g程度(約3食)魚を食べていた。米国で妊婦に勧められている魚の摂取量は週340gだが、それから週10gずつ魚の摂取量が増えると、それに比例して子供の認知機能テストの得点が少しずつ上がった。

「子供の認知機能の発達には、脂が多い大型の魚を摂取することが最も効果的です」と、同研究を行ったJordi Júlvezは言う。また、子供たちに有益となる魚の摂取量には限りがある。「魚を一定量以上食べても効果は変わりません。週に3、4食(約600g)魚を食べた場合と、それ以上食べた場合の効果は同じでした」とJúlvezは述べる。

妊娠初期(妊娠3ヵ月まで)に魚を摂取すると、子供の認知機能の発達に最も効果的なようだ。オメガ3脂肪酸と、いくつかの海藻に特有のドコサヘキサエン酸(DHA)が有効だと考えられている。DHAは一般的に、神経組織の発達や脳が機能するために必要な成分だからだ。

しかしながら、妊娠中の魚の摂取は危険性もはらんでいる。魚に含まれる水銀が、胎児の神経系の発達に悪影響を及ぼす可能性があるのだ。アメリカ食品医薬品局(FDA)は妊娠中の女性に対し、メカジキやサメ、メキシコ湾のアマダイといった大型の魚は、少量でも摂取を控えるように呼びかけている。しかし、今回の調査では、クロマグロのような大型の魚による副作用は認められなかった。あるいは、そういった大型の魚に含まれる脂肪酸が、水銀による副作用を上回る効果を発揮している可能性もある。

「アメリカ政府によるガイドラインは妊娠中の女性に、クロマグロのような脂が多い大型の魚を摂らないように呼びかけている。そういった魚には、水銀などの重金属や汚染物質がより多く蓄積されるからだ。しかし、今回の研究では、大型の魚も含め、魚を多く食べたことによる副作用は見られなかった。それは、魚のプラス効果が水銀のマイナス効果を上回ったからだと考えられる」とJúlvezは述べている。

FDAが妊娠中の女性に推奨する魚の摂取量は週340gまでとなっている。今回の調査では340gを超える魚の摂取の効果が実証されたが、妊娠中の女性が魚を摂取することの総体的な安全性に関しては、まだ不明な点も多い。今回の研究は意義深いものだが、更なる調査が必要だと言えるだろう。

はっきりとした指標が示されるまでは、もしあなたが妊婦の場合、サケやナマズなど水銀の含有量が少ない魚を選ぶことをお勧めする。現状の研究結果によれば、水銀含有量の少ない魚をほどほどに食べると、母親も子供も脳に嬉しい効果が期待できるようだ。

編集=上田裕資

 

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