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Popartic / Shutterstock

富める者はますます豊かになり、その他の者との格差をさらに広げていく──所得と富の不平等が拡大していると声高に訴える者たちはそう主張する。大部分において、この主張は正しい。こうした格差は経済における創造性と活力の減少によるものなのだろうか。

社会はより不公平になっており、国によっては財政的な格差を理由に政治プロセスが腐敗している。多くの人たちが主張するとおり、実際にこうした格差が拡大しているのだとすれば、社会は状況を改善するために何ができるだろうか?

これまでにも、数々の対策が講じられてきた。その多くは、富裕層への課税方法の変更だ。ただし、税制改正はいくらかの効果をもたらすものの、制度の小さな欠点につけ込む富裕層や利己主義の政治家たちは、その効果を薄めてしまう。また、富裕層(特に超富裕層)のために働く法律や財務の専門家は、恐らく新たな税制の一部あるいはすべてを合法的にすり抜けることができる。徴税による富の再分配が所得と富の格差の縮小にもたらす効果は、あったとしても最小限にとどまるだろう。

そこで問題となるのは、格差を縮小すれば、豊かではない人たちの大半が持つ富は拡大されるのかどうかということだ。自力で財を成した億万長者の富の創出のプロセスについて幅広く調査した結果からは、次のことが明らかになっている。彼らには一定の特徴と能力があり、成し遂げたいという強い熱意があり、そしていくらかの幸運に恵まれた人が多いのだ。つまり、自力で巨額の富を得る潜在力がある人は、かなり限られている。

だが、それでも格差の縮小を目指した場合、給与の高い仕事と医療などの重要なサービスへのアクセスをコスト効率よく提供すれば、大半の人たちの財政状況を実質的に向上させ、それを保証することは可能なのだろうか?

政府は最低賃金法などを定めたり、医療へのアクセスを提供したりすることができる。だが、雇われることや起業することを命じることはできない。また、工場の従業員など労働者から医師や弁護士、会計士などの専門職におけるまで、テクノロジーが人間にとって代わるということも問題を一層複雑にしている。そして、「経済的な不平等は絶対に避けられないのか?」という問題に対する答えは、この要因にこそあるのだ。

人工知能やロボットのようなテクノロジーが多数の労働者に代わることで、選ばれた少数を除いて、多くの人の仕事は失われることになる。また、仲介業者の排除は大幅な効率向上とコストの削減につながり、関連するテクノロジーの魅力はさらに大きく増すことになる。大きな、あるいは巨大な富を築くのは、これらのテクノロジーを創造し、管理する比較的限られた人たちなのだ。テクノロジーに取って代わられた人間は、多くの場合に劇的な変化を伴って、下方へと押し流されていく。

経済的に恵まれない人を支援したり、富裕層により多くの支出を求めたり、格差を縮小するための政治的な手段もいくらかはある。こうした解決策は当然、適切に実施されるべきだ。しかし、より大きな問題は、進化するテクノロジーが今後、働くということの本質に構造的な変化をもたらすのかどうかということだ。

そうであるとすれば、拡大し、かつ加速度的に分岐していくだろう大富豪とその他の人たちとの差異を政治的解決策によって実質的に相殺できる可能性は、極めて低いということになる。

編集 = 木内涼子

 

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