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Narasimhan M V / Shutterstock

フェイスブックがインドで提案する無料インターネットサービス「フリーベーシックス」に対して、学生やスタートアップなど国内の各方面から反対の声が続出している。インド電気通信規制庁はすでに、プログラムの開始に待ったをかけている。

マーク・ザッカーバーグCEOの鳴り物入りで始まった「フリーベーシックス」は、インドのような新興国のネット環境向上を目指し、特定のサイトやサービスへのインターネット接続を無料にするプログラム。これに対して反対者は、いかなる政府も企業もインターネット利用者のアクセスを制限すべきではないという“ネットの中立性”の考えに基づき、「ネットの中立性への脅威」だと批判する。今回のインドの動向は、今後世界的に同プログラムの展開を目指すフェイスブックにとって死活問題であり、すでに展開している数十カ国にも強い影響を与えるものとみられている。

ザッカーバーグ氏は2013年、インドで初めて「フリーベーシックス」の元となる「Internet.org」構想を明らかにし、現在は20カ国以上でプログラムを提供している。インド政府へのロビー活動も積極的に行い、インドソフトウェアサービス協会(NASSCOM)にも「フリーベーシックス」を許容するよう働きかけてきた。さらに、インドの主要紙で「フリーベイシックス」を公立図書館や国立病院などにたとえ「フリーベーシックスはネットの中立性を守る」と題した記事を寄稿。その中で反対論者について「(プログラムに関する)偽りの情報を氾濫させることは、インドに暮らす十億人からインターネットアクセスの機会を奪うことにつながる」として真っ向から批判した。

フェイスブックはここ数週間でインド国内の広告費を大幅に拡大するなど、プログラムの宣伝に躍起になっている。キャンペーンに賛同した140万人が電気通信規制庁へ同プログラムの認可を求めるメールを送ったとされるが、それらの手法をめぐっては新たな批判も招いている。

ネットの中立性を支持する立場から「フリーベーシックス」に反対する「SaveTheInternet」の活動に携わる事業家は、フェイスブックのキャンペーン手法について「フェイスブックは利用者を騙して関係省庁に自社のプログラムを支持するメールを送らせたうえ、規制庁からの別料金に関する質問事項には一切答えていない」と憤る。「SaveTheInternet」はフェイスブックに対抗し、規制庁にネットの中立性を支持するメールを送るキャンペーンを始めている。

フェイスブックが携帯サービスプロバイダーの「Reliance Communications」と提携し、インドで同プログラムを発表したのは約一年前まで遡る。プログラムの目的は、貧困層がフェイスブックやその他特定のウェブサイトに無料でアクセスできるようにすることだ。しかし反対者は、自由メディアであるインターネットの根本を覆すものだと批判する立場を崩さない。

反対論者にはインドの錚々たる実力者が名を連ね、同国最大のインターネットスタートアップ「Paytm」の創設者ナンダン・ニレカニ氏は、ザッカーバーグ氏が寄稿したのと同じ主要紙上で意見書を発表し、その中でインド政府は一企業を利することにつながる「フリーベーシックス」を容認するべきではなく、その代わりにすべての利用者に年間120MBのデータ容量を無料で割り当て、毎月最初の10MBまでを無料で利用できるよう提言した。

インドのスタートアップ企業も黙っていない。インドにおけるテクノロジー産業のハブ、バンガロールには多数が反対運動に集結した。参加した事業家の一人は、反対の理由について、限られたウェブサイトにしか無料でアクセスできない「フリーベーシックス」は結果的に大企業に有利にはたらき、スタートアップ・エコシステムに影響を与えるとしている。

13億人の人口をかかえるインドでは、約10億人が未だインターネットアクセスをもっておらず、マイクロソフトやアマゾン、フェイスブック、グーグルなどのグローバル企業にとって、インドは最重要マーケットの一つだ。さらにフェイスブックにとっては米国に次ぐ売上げを誇り急成長する市場。しかしながら、ザッカーバーグ氏の手にかかっても、インドの人々に無料のインターネットという“ギフト”を受け入れてもらうことは、いばらの道と言えるようだ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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