以下に『ファッション・チャイナ』に掲載された、中国のファッション・デザイン業界における最新トレンドをご紹介する。
ネイチャー志向
多くのデザイナーは自然の中にインスピレーションを求め、スタイリングの中にその要素を取り込んでいる。ダイジェスト・デザインのDooling Jiangは母なる自然を「最良の師」と呼んでいる。また、デザイナーのBan Xiaoxueは自然を「美の根源」と表現している。
緩いフィット感のシルエット
多くのデザイナーは流線のようなシルエットを好む。つまり、密着して体の線を強調しない、ゆるいフィット感のデザインだ。デザイナーのUma Wangは、そういったデザインのほうが中国では上品だと捉えられていると語った。
「気功」を取り入れる
ファッションブランドEveningのYu Wanningは中国最古の気功法「華佗五禽戯」にインスピレーションを得たコレクションを発表した。華佗五禽戯は動物たちの動きを優雅に真似た動作が特徴的だ。
ユニセックスを意識する
人民服の名残かもしれないがユニセックスを意識したデザインも一つのトレンドだ。デザイナーのHaizhen Wangは甲冑にヒントを得た作品で、2012年にロンドンのファッション・フリンジ・アワードを受賞した。Vega Zaishi Wangもすっきりと仕立てられた制服のようなデザインで知られている。
古代数学からのヒント
中国生まれのデザイナーとしては史上初めて、バーニーズに出品したHuishan Zhangは、中国の古代数学からインスピレーションを得て、デザインを行っている。また、シングルレイヤーのデザインにすることで、彼の服は軽い着心地を得られると話している。
シルクロードの伝統
シルクロードの時代から、中国は熟練された織物と刺繍で名を馳せて来た。これらの伝統を復活させようと試みるデザイナーもいる。Exception de Mixmindのデザイナーらは、ミャオ族の刺繍をデザインに用いている。オートクチュールのデザイナーLaurence Xuは、明朝と元朝に使われていた技法を現代のファッションに取り入れた。